本についた虫に殺虫剤噴射→盛大な勘違いと判明するが… 「同じ経験ある」の声に出版社も驚き
文庫本に虫がついていると思い殺虫剤をかけたところ、ロゴマークだったと判明。出版社は「知恵と芸術をつかさどる女神の象徴」と、説明している。
■文庫本に付いていた虫、よく見ると…
ことの発端は、俳優・キタラタカシさんが投稿した1件のポスト。
「河出文庫のここのやつを虫だと思って、びっくりして殺虫剤を撒いてしまった」と綴られた投稿には、文庫本の背表紙が写った写真が添えられており、本の下部には黒を基調とした小さいシンボルマークが確認できた。

何らかの生物を模したロゴマークのようだが、確かに遠目からでは虫と間違えてしまうのも、仕方ないかもしれない。
これだけなら単なる日常のうっかりミスで終わるところだが、なんと出版社の「河出書房新社」アカウントが反応。
— 河出書房新社 (@Kawade_shobo) July 23, 2026
当該のポストを引用する形で、フクロウと泣き顔のスタンプを投稿したのだ。
■出版社にマークの「正体」聞いた
こちらのやり取りを受け、Xユーザーからは「かわいい」「絵文字だけのリプに、悲しみが伝わってくる」「何これ? フクロウ?」といった声が寄せられていた。
また、キタラさんと同じ勘違いをした経験があるというユーザーからは「ごめんなさい。私もハエ叩きでしばいたことがあります」「私もよく、爪で擦ってしまう」などの体験談が寄せられている。
そこで今回は、話題のロゴマークの正体をめぐり、河出書房新社に話を聞いてみることに。

すると、表紙周りにある要素は全て、グラフィックデザイナー・粟津潔さんによるデザインであると判明。河出文庫のカバーはこれまで数度のリニューアルを経ているが、創刊から現在に至るまで粟津さんデザインによる表紙は不変とのことで、同文庫を象徴する要素と言えるだろう。

河出文庫の創刊は1980(昭和55)年。以降、フクロウのマークはずっと使用されており、広報担当者は「1992年に、恐らく消費税導入で税込み価格の記載等を必須とされたタイミングでカバーデザインをリニューアルした折も、2005年に現行のデザインにリニューアルした折も、フクロウマークは残りました」と、振り返っている。
■なぜここにフクロウが?

一見すると、読書とフクロウは全く接点が無いように思われる存在同士。
しかし、創刊時〜2000年初期の頃まで河出文庫の帯には「フクロウは、ギリシアの女神アテネ、ローマの女神ミネルヴァの象徴として用いられる鳥です。アテネ、ミネルヴァともに知恵と芸術をつかさどる女神です」と記されており、そうした背景を知ると、この上ない完璧な組み合わせなのだ。

フクロウマークが話題となった経緯について、担当者は「リニューアルされる前の河出文庫にもあらゆる所にフクロウがいたので、私たちにとって『河出文庫には色々な所にフクロウが付いてる』というのが当たり前の感覚だったので、『自分にはない視点で面白いな。そして、ビックリさせてごめんなさい。でも、河出文庫といえばフクロウなんだよ…!』という思いで引用リポストしました」と、当時の心境と合わせて振り返っていた。

しかし、実際にポストが拡散されるにつれて「自分も身に覚えがある」という声が思ったより多く、新たな気付きになったという。そんな担当者からは「皆さん、暗がりでフクロウがビックリさせていたらごめんなさい」というお茶目なコメントが得られている。
国内・海外問わず様々な名著を揃えている河出文庫。手に取る際は、ぜひ背表紙のフクロウに挨拶してほしい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




