「マンジャロ売ります!」→東京都がブチ切れ 違法ルートのダイエット薬が「恐ろしすぎる」と話題に
近年、ダイエット目的で医薬品「マンジャロ」を無許可で個人売買する行為が横行。こうした行為に対し「東京都薬務課が本気を出した」と、称賛の声が上がっている。
「ダイエット」と聞けば、記者は真っ先に「運動」や「食事制限」という言葉を思い浮かべるが、近年はどうも様相が変わっているらしい…。
そんなダイエット事情に伴う違法行為に対し、東京都庁薬務課が「本気を出した」と称賛の声が上がっている。
■「マンジャロ」って何だ?
近年、インターネット上で話題となり、物議を醸しているのが「マンジャロ」を利用したダイエット。
マンジャロは2型糖尿病の治療薬として開発された自己注射で投与するタイプの医薬品で、血糖値を下げるだけでなく、食欲抑制・満腹感の持続などにより体重を減らす効果も期待できることから、肥満症の治療薬としても注目されている。
一方、消化器への影響や低血糖など様々な副作用も確認されており、投与の際は医師による指導のもと、慎重に行う必要がある。
また、元は糖尿病患者に向けた医薬品であることから、「単なるダイエット目的」で使用するケースに対して「本当に必要としている人に行き渡らない恐れがある」と、嫌悪感を抱く人も少なくない。
■東京都、動く
こうした需要の急増から、独自のルートから入手したマンジャロをSNSを介して販売するユーザーも現れ始め、問題視されていた。
そして昨年末ごろから、こうしたユーザーへの「東京都薬務課」Xアカウントの対応が注目を集める。
「マンジャロ在庫あります」などのコメントと併せて1本当たりの金額を表記したアカウントに対し、東京都薬務課は「医薬品であるマンジャロを許可等なく販売等することは医薬品医療機器等法に違反します。直ちに販売を中止して下さい」と、逐一警告しているのだ。
東京都保健医療局健康安全部薬務課です。医薬品であるマンジャロを許可等なく販売等することは医薬品医療機器等法に違反します。
直ちに販売を中止して下さい。— 東京都薬務課 (@tocho_yakumu) May 26, 2026
注目すべきは、同アカウントが投稿したポストの一覧。なんと、通常の「ポスト」は1件も無く、投稿は全て「返信」のみ。つまり、同アカウントは違法な取引を示唆するアカウントへの「警告」にステータスを全振りしているのだ。
「(薬物の違法取引は)絶対に許さない」という強い意志が感じられる同アカウントは瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「こういう介入は大賛成です」「これは良い流れですね」など、称賛の声が相次いでいる。
Xでのマンジャロ転売に行政が目を光らせ始めました pic.twitter.com/AQbpM7pSNc
— EARLの医学&AIノート (@EARL_med_tw) December 16, 2025
また「どこの誰か分からない人から買った薬を注射するの、怖すぎるでしょ…」といった具合に、薬物の違法取引に手を染める恐ろしさに対するポストも多数確認できた。
■違法ルートで薬を入手する危険性

そこで今回は、話題となった取り組みの詳細について、東京都薬務課に話を聞いてみることに。
取材を快諾してくれた薬事監視担当・課長は「SNS上で医薬品の不正な売買が見受けられるため、X社の日本法人と連携し、2018年より実施しています。当初は向精神薬や睡眠薬などが主でしたが、最近はダイエット目的の糖尿病薬に関するポストへの警告が主となっています」と、開始の経緯を説明してくれた。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の第24条では「医薬品を許可なく販売してはならない」とされており、違反した場合は3年以下の懲役、300万円以下の罰金のいずれか、または双方が科せられる。
また、薬事監視担当・課長は「匿名ルートの売買の場合、品質や保管上の問題が考えられるほか、偽造薬の可能性があります」「加えて、医薬品副作用救済制度が受けられない可能性があります」と、その危険性を指摘。
医薬品は適切に使用した場合でも、副作用が起こる可能性がある。万が一、副作用で重い健康被害が生じた場合に給付が受けられる公的な制度が「医薬品副作用救済制度」なのだが、正規ルート外での入手は対象外となる恐れが。
こうした危険性を踏まえ、薬事監視担当・課長は「医薬品は、医療機関を受診して正規のルートから入手してください。SNSからの購入は絶対にやめていただきたいです」と、呼びかけていた。
一部界隈では、過度なダイエットが必要以上に持て囃されている昨今。果たしてそのダイエットは必要なのだろうか…?
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)



