SNSで日本語しか使わない米バンド・Millingtonが日本に初上陸 クラブチッタで最高のライブ見せる
「絶対に日本語でSNSを更新する」とバズったアメリカのバンド・Millingtonが初の日本ツアーを決行。クラブチッタでも、凄まじい盛り上がりを見せた。
アメリカはニューヨーク発にも関わらず、SNSで「日本語しか使わない」という硬派(?)なスタイルが話題を呼び、Xで大いにバズったバンド・Millington(ミリントン)が初の日本ツアーを決行。
会場に充満した熱気と、ライブ直前のメンバーたちの素顔を紹介したい。
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■ミリントンってどんなバンド?

ニューヨーク州オールバニを拠点に活動する“Brass Emo” バンドのミリントンは、ギターにベースにドラム、そして3本の管楽器のサウンドが特徴的。「スカパンク」というジャンルが好きな人なら、曲を聴いただけで無条件で体が動いてしまうだろう。
「日本が大好き」という彼らは、以前より「日本語のみ」を使用してXを更新していた。
インディーズバンドだから、高予算MVの代わりに家のトイレで6人で大暴れ。🚽🧻
人気が出ても、やっぱり友達とバカやるのが一番🤪曲名『FML』 pic.twitter.com/bv7PaCeIFs
— Millington (@Millingtweets) August 9, 2025
そんなある日、家のトイレ内で演奏する様子が話題となり、3万件近い「いいね」を記録するバズりを記録。
日本で大きな話題となったことを受けて初の日本ツアーが決まると、今度は「MCを地域別に練習中」として、標準語で話す東京版MCと、「やかましいねん! 今、MCしとるんやろう」と関西弁で話す大阪版MCの動画が投稿され、こちらもYahoo!ニュースに掲載されるほど話題となった。
2026の日本ツアーに向けて、MCを地域別に練習中😀 pic.twitter.com/c8cEOE7UTy
— Millington (@Millingtweets) December 28, 2025
ミリントンの日本愛については以前、フロントマンのCody Okonski(コディ・オカンツキ)へのインタビューで存分に語ってもらったことがあるので、ぜひこちらの記事をチェックしてみてほしい。
■ライブ前、メンバー達の素顔を見た
16日、神奈川県川崎市のCLUB CITTA’(クラブチッタ)での公演前のインタビューを相談したところ、ミリントンはこれを快諾。なんとライブ直前にも関わらず、メンバー全員でインタビューに応じてくれたのだ!

日本ツアー「The “Safety First” Japan Tour 2026」が決まった経緯について、クラブチッタの担当者は「バンドがXで、日本語を使って『ぜひ来日公演をしたい』と投稿しているのをたまたま見かけて興味を持ち、彼らの音楽を聴いたところ、とても素晴らしくて可能性を感じました。そこでお声がけさせて頂いたところ、今回のツアーが実現しました」と、説明している。

ツアーが決まった際の心境について、コディは「夢が叶った! と思ったよ。それも、MAYSON’s PARTYやHEY-SMITHみたいな友人たちと一緒に日本でライブができるなんて、最高の気持ちだ」と、振り返っていた。

初めて訪れた日本は驚きの連続だったようで、トランペットのNathaniel McKeever (ナサニエル・マッキーヴァー)は「ライブ中、日本のファンのエネルギーが返ってくるのを感じるんだ。めちゃくちゃ盛り上がってくれるだけでなく、僕たちの演奏をしっかり聴いてくれているのが伝わるんだよね」と、日本でのライブの感想を語る。

トロンボーンのChris Paul (クリス・ポール)は「ファンから色々なプレゼントをもらえて嬉しかったよ!」と、ギターのAlex Maloy (アレックス・マロイ)は「鎌倉や京都、日本の景観は本当に素晴らしい!」と、目を輝かせながらコメントしてくれた。

特に印象に残ったのが、サックスのPat Foxton (パット・フォクストン)のコメントで、「日本のトイレのウォシュレットには驚いたよ!」というもの。

思わず「良いサプライズだよね?」と尋ねたところ、「グレートなサプライズだよ!」との返事が。それにしてもこの男、ノリノリである。

そんなパットは、ライブ前の意気込みについても「今夜は、おれの人生で一番良いライブになるよ。約束する」とコメントしており、ツアーの疲れを微塵も感じさせない頼もしさがあった。
■最強のメンバーが揃ったライブ
この日のライブはHEY-SMITHの「新曲お披露目ツアー 2026」に、ミリントンはゲストとして出演。トップバッターは同じくゲストのMAYSON’s PARTYだった。
男女混合ボーカルの魅力を上手く引き出しているスカパンク、スカコアに弱い記者は、1曲目からノックアウト。
ハスキーボイスで姉御肌なSAKIが会場を盛り上げ、フロントマンのAYATOMOはMCで「ミリントンのコディとは、彼がまだ1人でバンドをやっていた頃からの付き合いなんだよ」と語り、「最高の空気で次のバンドに繋ぎたい!」という思いと勢いに満ちた、素晴らしいライブだった。
そして2番手に、我らがミリントンが登場。

「行こうぜ!」と全てのMCを日本語で行うコディは、最高のスカパンクバンドが揃ったイベントにも関わらず、「スカが好きな人いる??」と、とぼけたMCを見せる。

オーディエンスが当然の歓声で応えると、「いるんだね〜!」と返すなど、既に日本のファンとの呼吸もバッチリ。

ミドルテンポな楽曲が続いた後、コディの「次はもっと速い曲!」というMCと共に始まったのが、去年リリースされた名曲の「Summer Disease」。会場はサークルモッシュが発生するほどの盛り上がりを見せていた。

コディは「日和ってる奴いる? いねえよなぁ!!?」とマイキーになって会場を煽り、盛り上がりは最高潮に。そんな中で演奏されたのが、記者が一番好きな大名曲「Beatdown Generation」だった。

そこからも「RADIO」など、演奏されるのは名曲のオンパレードである。

SNSでしかミリントンを知らない人の中には、「日本語がペラペラなコディの印象が強い」という人も少なくないだろう。しかし記者が今回のライブで感じたのは、ステージ上の6人が揃ってこそのミリントン、という確かな事実である。

特に印象に残ったのがドラムのNick Cavin (ニック・ケービン)で、インタビュー中は終始にこやかだった彼が、デスボイスに通じるど迫力のボーカルを披露し、力強くドラムを叩く姿には一種の「ギャップ萌え」を感じさせられた。

そしてMAYSON’s PARTYやミリントンからバトンを渡されたHEY-SMITHが、満を持して登場。フロントマン・猪狩秀平らによる圧巻のパフォーマンスで、会場には本日最大のサークルモッシュが生まれた。
ライブ前半、中盤、そしてアンコールに新曲を交えたセットリストの最後を飾るのは、みんなご存知のキラーチューン『Come back my dog』。ハードコアパンクにしてスカパンクの名曲でオーディエンスが暴れ、踊り狂う光景は、最高のスカパンクパーティのフィナーレに相応しかった。

日本のファンとの確かな絆を見せてくれたミリントンは近い将来、必ずまた日本に戻ってくるはず。

今回のライブに来られなかった人は、次は絶対見逃さないようにしてほしい。




