埼玉県大宮、東口・西口の領土問題を「力で解決している」判明し話題 運営は「バチバチのライバル関係」と説明

埼玉県・大宮では年に一度、力づくによる「領土争い」が行われていると判明し、話題に。イベント運営は「駅を挟んで東口と西口は、バチバチのライバル関係」と、説明する。

2026/10/15 10:30

■3年前から「領土拡大」のルールを追加

そんな大綱引き大会のルールは至ってシンプル。

大宮駅東口・西口対抗連結大綱引き大会
画像提供:大宮駅RENKETSU祭実行委員会 事務局

大宮駅構内の東西連絡通路を会場とし、東口・西口それぞれの商業施設や商店街、地元企業などから集まった30人対30人の選抜メンバーが対戦を行い、先に3本を取ったチームが勝利となる。

そして2023年からは、勝ったチームが大宮駅構内の「領土」を拡大できる、という新たな勝利者賞が追加されることに。これは駅の東西連絡通路に設けた東口と西口の境界線を、勝利した側の領土が拡がるよう移動させるというもの。

大宮駅東口・西口対抗連結大綱引き大会
画像提供:大宮駅RENKETSU祭実行委員会 事務局

事務局の担当者は「この『まったく実益のない名誉』を懸け、大人たちが真剣勝負を繰り広げるところが、大会の醍醐味でもあります」と、深く頷いている。

今年は大会前の通算成績が西口6勝、東口3勝と西口優勢だったが、10月12日に行われた第10回大会では東口が3年ぶりに雪辱を果たし、3対1で見事勝利。この結果、通算成績は西口6勝、東口4勝となった。

大宮駅東口・西口対抗連結大綱引き大会
画像提供:大宮駅RENKETSU祭実行委員会 事務局

なお、東口・西口のチーム構成については、2023年大会からは大宮商店街連合会といった組織の協力のもと、商連の店舗関係者、商業施設関係者、地元スポーツチーム関係者などを中心に、独自にメンバーセレクトを行う形態を採用。

参加条件に関しては「東口・西口それぞれになんらかの縁があり、勝ちたい気持ちがあればOK」としている。

第10回の記念大会では、これまで優勝チームに受け継がれてきた初代トロフィーを「取り切り」として渡しており、来年の大会に向けて新トロフィーを新調予定とのこと。

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■それにしても大宮、ノリノリである

大宮駅東口・西口対抗連結大綱引き大会
画像提供:大宮駅RENKETSU祭実行委員会 事務局

そんな「身内ノリの極み」のようなイベントが今回、日本中の注目を集めた件について、事務局も喜びを感じているそう。

担当者は「正直なところ、始めた当初は、このような大会が10年も続くとは思っていませんでした。そもそも、駅の東口と西口が綱引きで領土を取り合うという企画自体、冷静に考えれば、当人たち以外にはどうでも良い本当にばかばかしい話です」と、やや自虐的に語る。

続けて、「しかし、そのばかばかしいことに、街の商業施設や商店街、企業、駅の関係者までが一緒になって本気で取り組んでいる。それこそが、この大会の一番の面白さだと思っています。大宮は鉄道のまちとして発展してきた一方、東口と西口では街の成り立ちも文化も少し異なります。この違いやライバル意識を街の盛り上げエネルギーに変えていく。これが、この大会の本質だと考えています」と、その魅力を語ってくれた。

綱引きでは毎年、東口と西口が本気で勝敗を争う。しかし試合が終われば、みんな同じ大宮の仲間。むしろ、年に一度思い切り戦うことで、お互いの距離が縮まり、街としての一体感が生まれてきているように感じるという。

大宮駅東口・西口対抗連結大綱引き大会
画像提供:大宮駅RENKETSU祭実行委員会 事務局

担当者は「今年は第10回という節目でもあり、例年以上の熱気に包まれました。大会がこうして話題になり、地元以外の方にも面白がっていただけることは、大変ありがたく思っています。今後も、大宮の人たち自身が楽しみながら、街の外からも『大宮って何だか面白そうだな』と思っていただけるような取り組みを続けていきたいと考えています」と、今後の展望を語ってくれた。

さて、もはや綱引きだけで「お腹いっぱい」な魅力に溢れているが、同大会は「大宮えきフェス by 大宮駅RENKETSU祭」のオープニングイベントとして開催されているもの。

同フェスは、2014年から始まった、JR大宮駅、駅周辺の大型商業施設、鉄道博物館、RB大宮アルディージャなどが連携して実施するもので、通常はある意味ライバル関係にもある商業施設同士をはじめ、年に一度「鉄道記念日」(10月14日)付近の期間に企業の垣根を越えて協力しあい、「鉄道のまち大宮を皆で盛り上げよう」という企画である。

第13回となる今年の大宮えきフェスは2026年10月12日から11月3日まで開催中。ぜひ電車を利用して、埼玉が世界に誇る鉄道のまち・大宮を訪れてみてほしい。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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