コンビニ駐車場に捨てられた謎の物体、危険すぎる正体にゾッとした 専門家は「事故のリスク高い」と指摘
コンビニの駐車場に投棄された「危険すぎる爆弾」に驚きの声が続出。専門家は「発火に繋がる恐れがあり、非常に危険」と、警鐘を鳴らす。
関東地方では連日、雨や曇りが続いたが、久しぶりに夏を思わせる暑さの日となった。
以前X上では、この暑さが原因で危険度が増した「とんでもない爆弾」が街中に投棄された様子が話題となっていたのだ。
■コンビニ駐車場に捨てられていた物体は…
ことの発端は、Xユーザー・とるあんさんが投稿したポスト。
「なんかヤバいものが落ちてるんだけど」という意味深な1文が綴られた投稿には、パンパンに膨らんだパックが道端に捨てられている写真が添えられていた。その正体は、モバイルバッテリー。
なんかヤバいものが落ちてるんだけど pic.twitter.com/h3nVqtn9ar
— とるあん (@yumenotobira_A) July 7, 2026
ほんのわずかな衝撃で発火・爆発しそうなほど膨らんだモバイルバッテリーが投棄されている様子は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「なにこれ…怖すぎるだろ」「警察か消防に通報案件かな?」「子供が触ってしまったらと思うと、恐ろしい」「ここまで膨れてると、いつ爆発してもおかしくない」など、恐怖する声が多数寄せられていた。
■専門家は「非常に危険」と警鐘
ポスト投稿主・とるあんさんに話を聞いたところ、こちらの光景はコンビニの駐車場にて目撃したものと判明。
当時の様子について、とるあんさんは「駐車してコンビニに向かう際、ふと駐車場に落ちているモバイルバッテリーを見つけて近づいてみたら、パンパンに膨らんでいたので驚きました。対応の仕方が分からなかったので、店員さんに状況を伝え、すぐにその場を離れました」と、振り返っている。

そこで今回は、こうした状態になったモバイルバッテリー(リチウムイオン電池、LIB)の恐ろしさについて、独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(以下、NITE)に詳しい話を聞いてみることに。
リチウムイオン電池の膨張・爆発について、NITE担当者は「リチウムイオン電池は、プラス極、マイナス極、プラス極・マイナス極を絶縁するためのセパレーターと電解液で構成されており、多くの電気エネルギーを貯めることができます。しかし、製造時に混入した微細な金属製の異物や使用中の衝撃でセパレーターが破損することで、プラス極とマイナス極がショートしたり、過充電や外からの過剰な熱を受けたりすると、電池内部の温度が急激に上昇する現象(熱暴走)が生じてしまい、電解液が可燃性のガスとなって電池が膨張し、耐えきれなくなるとガスが吹き出し、最悪の場合は自身の温度や火花などで着火します」と、その仕組みを説明する。
加えて、「リチウムイオン電池は多くの燃える材料で作られていて、衝撃・圧力や温度に弱い、デリケートな製品ということになります。特に充電中は、リチウムイオン電池に大きな負荷がかかっている状況ですので、異常が顕在化しやすく、NITEに報告されているリチウムイオン電池の事故の多くが、充電中の事故になります」とも補足していた。
また、熱のこもりやすい布団の上での充電はなるべく避けた方が安全との頃で、就寝中ではなく監視できる時に、周りに可燃物を置かない状態での充電を推奨している。
■「夏は特に危険」と注意
こうした背景もあり、多くのネットユーザーを驚かせた今回のモバイルバッテリー投棄。しかし、人々をより恐怖させたのは、こちらの投棄が「夏のアスファルト上で行われた」という点ではないだろうか。
NITEの担当者も「おっしゃる通りリチウムイオン電池は、高温環境下に置かれると内部にある電解液の化学反応が進みやすくなり、発熱や発火のリスクが高まります。特に、電解液には可燃性の成分が含まれているため、電池の温度が上がると、電解液の分解によるガス発生(膨張)や内部短絡などを通じて、事故に繋がる恐れがあります」と、その危険性を認める。
続けて「そのため、夏季の高温環境では、直射日光の当たる場所、炎天下の車内、熱せられたアスファルトの近く、エアコンを切った車内などに放置すると、低温環境に比べてリスクは高まります。特に車内は短時間で高温になりやすく、機器本体の温度上昇が進みやすいため、注意が必要です」と、喚起していた。
さらに高温だけでなく、落下(衝撃)、圧迫、水濡れ、変形、膨らみ、異臭、異常な発熱といった状態も、事故のリスクを高めるそうで、「既に本体が熱い、膨らんでいる、焦げたような臭いがする場合は、使用や充電を続けず、速やかに使用を中止することが重要です」と、補足している。
こうした説明を受け、「それならば低温環境で保存すれば安全なのでは?」と考えた人も多いだろう。
しかし、NITE担当者は「0℃を下回るような低温に置いておくことも、LIBの寿命を縮めることになりますので、避けるようにして頂きたいです。使用温度範囲については、取扱説明書に記載がありますのでご確認頂きたいです」と、入念に注意を呼びかけている。
■リチウムイオン電池の「危険のサイン」
異常に膨張したり、充電時等に異常に発熱したりといった症状が見られたら、それはリチウムイオン電池の赤信号。違和感を覚えたら使用を中止し、事業者に対応を相談するべきである。
廃棄・交換の目安となるタイミングについて、NITEの担当者は「充電に時間がかかるようになったり、電池の持ちが悪くなってきたり、製品が膨らんでいるように感じられる場合も、リチウムイオン電池が劣化してきたことを示しますので、廃棄・交換を検討してください」と、呼びかけていた。
また、膨張したり、手で触れないぐらい熱を持ったリチウムイオン電池は、すぐに充電・使用を中止した上で、金属缶や土鍋などに入れて隔離し、温度が下がるのを待つようにすると良いという。
その際は今回のように道端に捨てるのでなく、「メーカーやお住まいの自治体にご相談するようにお願いいたします。また、廃棄の際は一般ごみとして捨てず、自治体の回収ルールに従ってください」と、念を押していた。
様々な電子機器が必需品となった現代、これまた必携品であるリチウムイオン電池。その便利さだけでなく、危険性についても正しく理解すべきであろう。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




