手を挙げて横断歩道渡る女性を車が無視、「あり得ない」「私有地ならセーフ」で議論勃発 警察に「道交法の解釈」聞いた
「歩行者優先」のはずの横断歩道で、手を挙げている歩行者を無視して通過する車に疑問の声が続出。京都府・交通指導課は「歩行者優先が適用されない場合」について説明する。
横断歩道は歩行者が優先。渡ろうとしている歩行者がいる場合、車両は一時停止をしなければならない。
しかし以前X上では、ある横断歩道での光景を受け、様々な疑問の声が寄せられていたのだ。
■横断歩道で手を挙げる高齢女性、車はガン無視
注目を集めていたのは、とあるXユーザーが投稿した1件のポスト。
「京都市南区、手を挙げて横断する人を轢こうとする対向車」と綴られた投稿には30秒程度のドラレコ映像が添えられており、片手を挙げてスーパー敷地内の横断歩道を通過しようとする高齢女性の様子が確認できる。
すると、駐車場から出てきた1台の車が横断歩道に接近。当然、手前で停車するものと思われたが…。

なんと、車は停まる素振りすら見せず、女性の前を通過。女性は面食らった様子で立ち止まり、目の前を通る車を見送るのであった。
■私有地に道交法は適応されない?
違和感を覚えた女性が立ち止まったから良かったものの、そのまま歩いていれば車との接触は免れなかっただろう。
こちらの光景は大いに物議を醸しており、Xユーザーからは「この状況で停まらないのはあり得ない」「何のために横断歩道があると思っているんだ」「目の前しか見えてないんだろうな」といった非難の声が多数寄せられている。
一方で、撮影現場がスーパーの敷地内であることから、「私有地は道交法が適応されないのでは?」などの指摘も散見された。
そこで今回は「私有地と道交法」の解釈をめぐり、京都府警察に詳しい話を聞いてみることに。
■「道路に準ずる場所」であるかがカギ
取材を快諾してくれたのは、京都府警の交通指導課。
担当者はまず、「公道の横断歩道は歩行者優先となるため、それを無視して車両が通過した場合は交通違反となります」と、前置き。
続けて、今回のような私有地のケースについては「道路に準ずる場所」であるかどうかが重要である、と説明する。では、この「道路に準ずる」とは、どう解釈すれば良いのだろうか。
こちらの疑問に対し、担当者は「コンビニワープ」と呼ばれる事象を例に挙げる。
これは交差点の信号待ちや渋滞を避けるため、コンビニ駐車場を通り抜ける、いわゆるショートカット。一時不停止だけでなく、様々な事故リスクを伴う危険な行為である。
この場合、コンビニの駐車場は不特定多数の人物が利用する道路に面しているため、前出の「道路に準ずる場所」として認識されるケースが多いという。
一方で、今回話題となった動画のような「商業施設の駐車場」も多数の人物が行き来する空間ではあるものの、「買い物客に限定される」「公道に直接面していない」といった事情を考慮すると、「道路に準ずる場所」として認識されない可能性が高いそうだ。
そのため、今回のような車の一時不停止は道交法違反に該当しないケースも考えられるという。
■それでも「一時停止」はするべき
しかし、これはもちろん「私有地であれば人を轢いても良い」といったアナーキーな内容では無い点に注意。
実際に車が人に接触してしまった場合は当然様々な責任が発生するし、その際は「事故が起こる直前の状況」についても遡求されるという。
そのため安全を考慮するならば、やはり「横断歩道は歩行者優先」という考えを遵守するのがベターなのだ。「私有地ならばセーフ」と考えていた人は、これを機会に自身の運転を改めてほしい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




