全国の書店、転売ヤーの餌食で荒れ果てた姿に 酷すぎる本の扱いが「信じられない」と物議

ナツコミ2026の特典カード目当ての転売ヤーが全国の書店を訪れ、本を乱暴に扱う様子が話題に。「二度と来ないでほしい」と、物議を醸している。

2026/07/06 10:30

「ナツコミ2026」開催中の書店
画像提供:わわわたるさん

斜陽と言われる出版業界。それだけに書店が賑わう様子を見ると、嬉しさが込み上げてくる。

しかし現在ネット上では、招かれざる客たちが全国の書店を蹂躙する様子に、怒りと疑問の声が上がっているのだ。


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■この夏、転売ヤーが目をつけたのは…

『HUNTER×HUNTER』39巻
Photo:Sirabee編集部

1日より、集英社は夏のコミックスフェア「ナツコミ」を開催している。

対象のコミックスを購入すると「描き下ろしメタキラカード」がゲットできるというもので、『ONE PIECE』や『SAKAMOTO DAYS』、『キングダム』に『ハニーレモンソーダ』など集英社の人気漫画が勢揃いしており、カードの種類は全22種類。

そのため開催初日より全国の書店では賑わいを見せているのだが…こうした場に現れ、問題視されるのがご存知、転売ヤーである。

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■全国の書店が荒れ果てた状態に

前出のように、メタキラカードを入手する方法はコミックスを買うこと。本や漫画を愛する人にとっては神聖とも言える行為だが、当然転売ヤーにとっては単なる「作業」であり、そこには本や店に対する敬意など存在しない。

そのためX上には、まるでイナゴが通過した後の畑のように荒れ果てた状態となった全国の書店の、痛々しい様子を収めた写真が多数投稿され「あまりに酷すぎる」と、物議を醸しているのだ。

丁寧な陳列を崩すのは序の口。中には、床に落ちたコミックスを踏みつけている人物の姿も確認できた。

さらに、フェスとは無関係の他出版社のコミックスを購入して「なぜメタキラカードがもらえないんだ」と、理不尽なクレームで店員を恫喝する人物も見られたという。

こうしたトラブルを受け、全国の書店では「特典配布の中止」などの緊急対応を行なっており、事態の深刻さが窺える。

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■目撃者は「悲しさと嫌悪感でいっぱい」

大好きな本が転売のための道具として利用され、無碍な扱いを受けていることに怒りを覚えている人も多いだろう。本好きなXユーザー・わわわたるさんも、その1人。

1日の開店直後に書店を訪れたわわわたるさんは、書架のコミックスが大量に落下している様子を発見する。特典の配布方法は店舗によって異なるため、「レジ配布」なのか「折り込み」なのかを確認しようとした人々が乱暴に本を扱い、放置していったのだろう。

店舗内の様子について、わわわたるさんは「レジには15人前後の人が並んでいました。外国人と日本人が混在しており、全員大人でした。店員は2名しかいなかったため、レジ対応とレジ最前で客の対応をするのが手一杯で、陳列棚まで意識が回らない状況でした」と、振り返っている。

「ナツコミ2026」開催中の書店
画像提供:わわわたるさん

「行きつけ」だという書店のこうした惨状に対し、わわわたるさんは「このような荒れた状態は初めて目の当たりにしたため、衝撃と戸惑いが大きく、一瞬状況を理解することができませんでした。『ナツコミ』の開催自体は把握していましたが、特典や転売目的などのためにこのような蛮行が起きてしまったという現実を理解し、悲しさと嫌悪感でいっぱいになりました」と、全国の読書家たちの気持ちを代弁してくれた。

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■悪いのは「出版社」ではない

こうしたトラブル時には、良かれと思ってとった行動がさらなるトラブルを招く可能性もあり、行動をためらってしまうもの。

わわわたるさんも「(散乱した本を)下手に触って、二度手間になったらどうしよう」「店員さんを呼びたくても、手一杯の忙しい中でさらに迷惑をかけてしまうかもしれない」などと考えてしまい、その場にいたにも関わらず、すぐ行動できなかった自身に悔しさを覚えたという。

今回の騒動を受け、ネット上には「転売対策を行わなかった(甘く見ていた)」ということで、集英社に対する非難の声も少なからず上がっていた。しかし、元を正せば悪いのは当然、転売ヤーである。

書店が賑わい、紙の本が売れるのは非常に素晴らしいニュース。しかし今回のような盛り上がり方は、出版業界も決して本意ではないはず。

「ナツコミ」というフェアの形態そのものが、今後大きく変わる可能性も十分あり得るだろう。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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