令和の学校給食、その内容が「戦時中かよ」と物議醸すも… 給食センターは「生徒・保護者から不満の声無い」と回答
「戦時中の食事かと思った」と物議を醸している、昨今の学校給食事情。砺波市学校給食センターは「これまで児童・生徒や保護者から『給食が足りない』という声は寄せられていない」と、説明している。
大人も子供も関係なく、昼休みは1日の中で至福の時間。
しかし現在ネット上では、各地の小学校で提供される給食の内容に対して「戦時中の食事みたい」と、疑問の声が上がっているのをご存知だろうか。
■「戦時中の食事?」と物議醸した理由は…
今回紹介するのは、富山県・砺波(となみ)市のXアカウントによる一連の投稿。当該のアカウントでは日々「◯月×日の給食」と本文に題し、当日の給食の様子を収めた写真を投稿している。
本文中のURLからは給食の献立が確認でき、保護者も安心できる内容の投稿となっている…のだが、10月1日の投稿から不穏な空気が漂い始める。
同日はコッペパン、牛乳、ミートボール(トマトソース)、 グリーンサラダ、ポトフという、非常に美味しそうな献立の給食が提供されたのだが、投稿された写真を見ると、おかずのミートボールはわずか2つ。

目に見えて分かる「たんぱく質」を含んだおかずはこちらのミートボールのみ。その分、サイズが大きいというワケでもなく、皿の余白が目立つ状態となっていた。
10月1日の給食 – https://t.co/lt1Bauq1GE pic.twitter.com/4K67ZU9JYi
— 砺波市 (@tonami_city) October 1, 2026
そのため、Xユーザーからは「戦時中の食事?」「もう少しおかず、どうにかならない? 育ち盛りよ」「これ必要なカロリー足りてるのかな」「老人ホームの方が、もっと豪華な食事が出てきそう」など、疑問の声が多数寄せられているのだ。
■過去の献立にも疑問の声
こうした疑問の声が上がりだすと「過去の献立はどうなのか?」と気になるのが、インターネットの住人たち。当該の投稿が話題となったことを受け、9月11日の投稿にも数週間遅れで疑問の声が寄せられる結果となった。
9月11日の給食 – https://t.co/GXKw8qLWl8 pic.twitter.com/d7AYaUPs3L
— 砺波市 (@tonami_city) September 13, 2026
同日の献立は、ごはん、牛乳、ポークシュウマイ、刻み漬け、麻婆なすというラインナップ。
メニュー名を見るとボリューミーな食事を連想するが、写真を見ると、ポークシュウマイの数はやはり2つ。10月1日の給食同様、皿の余白が目立つ写真となっている。

中には「学校給食の現状を嘆いた現場関係者による無言のSOS」として世論を味方につけるための投稿なのではないか、という考察まで見られる始末。
実際、こうした声の影響を受けてか、10月1日以降の給食は皿の余白が非常に少なくなっており、「美味しそう」「こういうので良いんだよ」といった好意的な声から、「話題になった日は、たまたまハズレの日だったんでしょうか?」などの疑問の声が寄せられることになった。
そこで今回は、物議を醸した学校給食の現状について、一連のポストを投稿する砺波市に話を聞いてみることに。
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■生徒や保護者から「給食が足りない」という声はゼロ
取材に応じてくれたのは、砺波市学校給食センター。
投稿している情報について、担当者は「学校給食センターでは、市内全ての小学校及び中学校の児童生徒を対象に給食を調理・提供しております。毎月の献立表は市ホームページに掲載しており、給食内容を保護者や市民の皆様に分かりやすくお伝えするため、写真付きで投稿しています」と、説明している。
なお、給食画像の投稿を開始した正確な時期は不明だが、「20年以上前から情報発信を通じて、市の取組を広く知って頂くことを目的としております」との回答も得られており、同市が学校給食をいかに重要と考えているかが窺えるだろう。
さて、今回ネット上で最も多く寄せられていたのが、「食べ盛りの子供達に対し、量が不足しているのではないか」という意見。
こちらの意見に対し、学校給食センターの担当者は「本市の学校給食は、文部科学省の学校給食摂取基準に基づき、必要なエネルギー量等の栄養バランスに配慮して献立を作成しています」と、回答している。
具体的には、小学校の中学年(8〜9歳児/3・4年生用)に必要なエネルギー量を650キロカロリー、たんぱく質を21〜23グラム、カルシウムを350ミリグラム程度を目安と定め、この基準に基づき、必要なエネルギー量等を計算して基本の献立としているという。
そして、低学年(6〜7歳児/1・2年生用)ではそれより少なく、高学年(10〜11歳児/5・6年生用)、中学校(12〜14歳児/1〜3年生用)向けにはそれより多くするなど、提供量を調整しているのだ。
※Xに投稿している写真は「小学校の中学年向け」を想定したボリューム
こうした実情を踏まえ、「この基準に基づき、必要なエネルギー量等の栄養を満たしていることから、量の不足は無いと認識しております。また、1カ月分の献立表には提供量の平均値を示しており、透明性を確保しています」という、確固たる回答が得られている。
また、それを裏付けるように「これまで、児童・生徒や保護者から『給食が足りない』という声は寄せられておりません」とも補足していた。
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■「物価の高騰」は給食に影響与えた?
恐らく今回、少なくない人々が不安を覚えた原因の一つに、料理の材料費を含む「物価の高騰」が挙げられるのではないか。給食が被った影響について、尋ねてみる。
すると、学校給食センターからは「本市では、今年度から実施されている小学校給食費の負担軽減に対応する中で、国の算定する基準額と実際の食材価格との差が生じておりますが、国の基準額を超える食材費用を市が公費負担することで、小学校の保護者の経済的負担を実質ゼロとしています。これにより、社会情勢の影響を受けず、児童生徒に必要な給食を提供できる体制を整えております」という心強い回答が得られた。
そのボリューム感についても「昨今の物価高騰に伴い、学校給食の食材費用は値上がり傾向にありますが、給食の具材の量やカロリーについては減少しておりません。文部科学省の学校給食摂取基準に基づき、必要なエネルギー量等の栄養を維持しながら献立を作成しています」と回答している。
また、学校の給食というのは数カ月先まで献立を予定しているため、最近の献立写真が急に豪華に見えるようになったのも、「ネット上の声を受けて急遽、献立やボリュームを変更した」というワケではないと判明した。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




