歩行者用デッキに描かれた謎の落書き、別角度からの正体に「知らなかった…」と驚きの声 管理者は「秘密の暗号」と語る

都内の公共物に描かれた謎の線を別の角度から見ると、円が浮き出ると判明し、話題に。管理者は「都市にある秘密の暗号」と、その詳細について説明する。

2026/10/09 05:30

視覚から得られる情報は非常に多いが、視点や角度を変えるだけで、それまでとは全く別の情報に書き換えられてしまうケースは珍しくない。

以前X上では、都内某所に出現した謎のマークに対し、驚きの声が相次いでいたのをご存知だろうか。


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■街中に描かれた落書き、と思いきや…

ことの発端は、Xユーザー・SUMIさんが投稿した1件のポスト。

「立川散歩したら、ある視点から立つと丸が現れるパブリックアートあって凄かった。どうやって作るんやこれ」という意味深な文章が綴られた投稿には、2枚の写真が添えられている。

ファーレ立川アート『背中合わせの円』
画像提供:SUMIさん

それぞれの写真には歩行者用のデッキが添えられており、写真はそれぞれ同じデッキを写しているが、角度と距離が微妙に異なっている。よく見ると、1枚目写真のデッキには、落書きのような形状の黒い線が確認できた。

ファーレ立川アート『背中合わせの円』
画像提供:SUMIさん

しかし、2枚目の写真を見ると、不恰好な線が綺麗な円形に変化していたではないか。

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■「知らなかった…」と驚きの声相次ぐ

こちらの光景は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「すごい、言われてもすぐには気付かなかった」「立川のアート、本当にすごいんだよ」「知らなかった。今度探してみよう」など、驚きと称賛の声が多数寄せられていた。

ポスト投稿主・SUMIさんに話を聞いたところ、こちらの円は立川市内に設置された「ファーレ立川アート」の一つであると判明。

撮影の経緯について、SUMIさんは「元々このパブリックアートの存在は知っていて、たまたま立川に行く機会があったので立ち寄ってみようとしたのがきっかけです。ぴったり丸が現れる箇所を見つけられた時は爽快でした。こうした錯覚がアートとして日常に溶け込んでいる点は、他の地域では中々見られないと思うので興味深かったです」と、振り返っていた。

フェリーチェ・ヴァリーニ『屋上の円』
画像提供:SUMIさん

また、同一アーティストの作品として、ビル屋上にも赤い円が設置されていたという。

そこで今回は、話題のアートの詳細をめぐり「ファーレ立川アート管理委員会」に話を聞いてみることに。

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■管理委員会は「都市にある秘密の暗号」と語る

「ファーレ立川」は、1994年10月13日に、立川駅北口の米軍基地跡地に誕生したホテル、デパート、映画館、図書館、オフィスビルなど、11棟の建物からなる5.9ヘクタールの街の名称。

イタリア語の「FARE(創る・創造する・生み出すの意)」に立川の頭文字「T」をつけ、「ファーレ(FARET)立川」と名付けられたという。

ファーレ立川アート(依田久仁夫氏、エステル・アルバルダネ氏による作品)
画像提供:ファーレ立川アート管理委員会事務局

その中には、36カ国92名の作家による109点のアートが壁、車止め、ベンチ等の都市機能を併せ持つ作品として設置されており、訪れる人々の語感に囁きかける空間を創り上げているのだ。

今回話題となったアート『背中合わせの円』は、スイス出身のアーティストであるフェリーチェ・ヴァリーニ氏による作品で、1994年10月13日に展示開始されたもの。

その特徴について、ファーレ立川アート管理委員会の担当者は「複雑な空間に描かれた太さの違う切れた線は、ある1点からみると一つの真円になります。この円は、都市にある秘密の暗号とも言えるようです」と、説明していた。

ファーレ立川アート『オープンカフェテラス』
画像提供:ファーレ立川アート管理委員会事務局

当該の作品が話題となった件については、「ファーレ立川アートは本アートの他にもSNS映えする作品が多数あります。近くにはカフェ、レストランやショップ、図書館等もあり、素敵な時間を過ごせます。ぜひお立ち寄りください」とのコメントが得られている。

ファーレ立川アート『浮くかたち-赤/垂』
画像提供:ファーレ立川アート管理委員会事務局

アートや芸術と聞くと、つい身構えてしまう人も多いかと思うが、真のアートとは日常生活の中に潜んでいるもの。ファーレ立川アートは、そんな真理を見事に体現した「身近な都市型アート」の集大成と言えるだろう。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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