老舗旅館で謎のリモコン発見、押した宿泊客に衝撃走る 予想外な機能が「貴族の遊びかよ」と話題
高知県の旅館・城西館に設置されたリモコンを押すと「好きなタイミングで高知城をライトアップできる」と判明し、話題に。城西館は「1994年から実施しているサービス」と、その歴史を説明する。
高層ビルがそびえ立つ現代においても、多くの人にとって「城」は特別な存在に感じられる。
現在X上では、この城に関する「予想外のサービス」を提供する旅館が話題となっているのをご存知だろうか。
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■旅館で見つけた謎のリモコン、押してみると…
今回注目したいのは、旅行好きなXユーザー・saltさんが投稿したポスト。
「去年高知行った時、泊まった旅館の湯上がり処から、自分の裁量で高知城を照らせたの一体なんだったんだ」という意味深な1文が綴られた投稿には、30秒ほどの動画が添えられている。

旅館内で撮影されたと思しき動画内では、窓際に置かれたリモコン、および後方の「築城400年を超える高知の名城 高知城ライトアップ」という説明書きが確認できた。
恐る恐るといった様子で、saltさんはリモコンを手に取りボタンをプッシュ。
去年高知行った時、泊まった旅館の湯上がりどころから、自分の裁量で高知城を照らせたの一体なんだったんだ pic.twitter.com/p5voIUhhDx
— salt︎😵💫秋例大祭 こ04ab (@saltty__) August 22, 2026
すると、それまで真っ暗だった窓の外に光が差し、遥か遠くにある城がライトアップされていたのだった。
■「貴族の遊びかよ」と大ウケ

「権力の象徴」とも呼ぶべき城を自分の意思で好きなタイミングでライトアップできるというサービスは、瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「貴族の遊びかよ」「謎権限すぎて面白い」「近くのお城かと思ったら、結構遠くて笑う」「高知城は弱みでも握られてるのか?」「高知県民だけど、初めて知った…」など、驚きと戸惑い、そして称賛の声が寄せられていた。
ポスト投稿主・saltさんに話を聞いたところ、当該の映像は2025年6月、高知県高知市の城西館にて撮影したものと判明。
スイッチを押した際の感想について、saltさんは「スイッチは湯上がり処の端にポツンと置かれていて、他の宿泊者の皆様はだれも注目していなかったので、実際に触ってみて『こんなことできて良いの!?』『もっとアピールしなよ!』と、そのギャップに笑ってしまいました。本当に、どういう経緯でできたものなんでしょうか…?」と、戸惑いつつ振り返っている。

そこで今回は、城を照らす謎の権力を有する老舗旅館・城西館に話を聞いてみることに。
■JTBも「全国で唯一」認める
話題のサービス「高知城ライトアップ」の詳細について、城西館の担当者は「城西館は高知城の西側に位置しており、最上階8階の湯上がり茶屋『城見櫓』から高知城を望むことができます。この立地を生かし、『夜間にもご宿泊のお客様に高知城を楽しんで頂きたい』という思いから、当時の社長・藤本幾雄の発案で、高知城に向けてサーチライトを設置したのが始まりです」と、説明する。
ちなみに、城西館と高知城は直線距離にして、約760m~770m離れているそうだ。

続けて、「サーチライトによるライトアップは、1994年の新館(千寿)がオープンした頃から行っており、長年に渡ってご宿泊のお客様に楽しんで頂いている、城西館ならではのサービスのひとつです。単にライトアップされた高知城を眺めるだけではなく、お客様ご自身でスイッチを操作して点灯・消灯できるところが特徴で、お子様から大人の方まで、旅の思い出として楽しんで頂いております」と、その魅力を語ってくれた。
2018年12月には「城見櫓」がリニューアル。高知城や高知市内の景色を眺めながら、湯上がりにゆっくり過ごせるスペースとして、現在も利用可能だ。
なお、こちらのサービスは高知県どころか全国で見てもかなりレアな試みのようで、JTBのページ内でも「全国で唯一、お城ライトアップの操作ができる宿」と、説明されている。
■ライトアップ利用した様々な試み
「高知城ライトアップ」の仕組みについて、担当者は「『城見櫓』には高知城方向を照らす投光機のスイッチを設置しており、お客様がそのスイッチを操作するとサーチライトが点灯し、暗闇の中に高知城の天守閣が浮かび上がります。もう一度スイッチを操作すると消灯でき、『自分の手で高知城をライトアップする』という体験をお楽しみ頂けます」と、説明する。
しかしもちろん、24時間365日、好きなタイミングでライトアップ操作ができるワケではない。通常は、日没から24時までの時間帯で利用が可能。
また、担当者は「高知城で夜間イベントや特別なライトアップ演出などが行われる場合、また高知県などから要請があった場合には、サーチライトの利用を一時休止することがございます。そのため、常時自由に照射しているものではなく、高知城で行われる催事や演出にも配慮しながら運用しております」とも補足している(2026年9月3日時点ではライトアップ可能)。
他にも、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝えるピンクリボン運動などの啓発期間には、県などからの要請に応じてライトの色をピンクに変更するなど、様々な取り組みに柔軟に協力しているという。
■城西館ってどんな宿?
1874年(明治7年)に創業した老舗旅館・城西館は、2024年には創業150周年を迎えている。

担当者はその歴史について、「これまで皇族の御宿泊をはじめ、多くの皆様をお迎えするとともに、地元高知ではご披露宴やご宴会など、地域の皆様の人生の節目にも長く携わってまいりました。高知城下を望む最上階の展望露天風呂や、今回話題にしていただいた高知城のライトアップ体験をはじめ、館内の『藁焼きタタキ工房』でご覧頂ける鰹の藁焼き実演、高知の食材を取り入れたお料理など、高知に来たからこそ味わえる本物の体験を大切にしています。今回、Xへの投稿をきっかけに、長年続けてきたこのライトアップを多くの方に知って頂けたことを、私共も大変嬉しく思っています」と、笑顔と共に振り返る。

続けて、「スイッチを入れた瞬間、夜の高知市街の中に高知城がふっと浮かび上がる光景は、写真や動画で見るのとはまた違った面白さがあります。今回のサーチライトのように私たちは、様々な目的で高知を訪れるお客様に『高知に来て良かった』『こんな体験ができた』と思って頂けるよう、旅の想い出のひとつとなるような取り組みやおもてなしを、これからも追求し続けていきたいと思っております。そして、お客様にたくさんの想い出を持ち帰って頂けるような場所であり続けたいと考えています」と、その思いを語ってくれた。

実は、今回話題となった投稿主・saltさんも高知の素晴らしさに魅せられた1人。
今回の取材に際し、「仁淀ブルーと美味しいカツオが忘れられなくて、高知を訪れました。城西館さんに泊まるのは初めてでしたが、さすが由緒正しいお宿ですね。気持ちよく過ごせました。カツオの藁焼きの様子を見ることができ、お腹いっぱい食べられて大満足でした! 今回自分でも動画を見返してまた高知に行きたくなったので、次回も城西館さんに泊まって、またお城を照らしたいです」と、旅行の感想を振り返っていた。

なお、城西館からも「今回のご投稿をきっかけに城西館や高知に興味を持ってくださった皆様には、ぜひ実際に高知へお越し頂き、ご自身の手で高知城をライトアップして頂ければ嬉しく思います」というノリノリなコメントが得られている。
ぜひ読者諸君も高知を訪れる際は城西館に泊まり、合法的に城をライトアップする快感を体験してみてほしい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




