ハードオフ、100年前の木製カメラ見つかり話題 店主が語る「当時の撮影方法」で二度驚く…
神奈川県のハードオフで、100年前のカメラが発見されて話題に。ビンテージ品が多数集まる理由について、同店長は「藤沢の歴史が関係あるのでは」と、推測する。
今から100年後の日本は、世界はどのような変化を遂げているのだろうか。恐らく記者を含む大多数の読者が、それらを見ることなく寿命を全うしていることだろう。
さて以前X上では、とあるハードオフ店舗にて発見された「100年前の商品」が話題となっていたのだ。
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■100年前の「木製」カメラを発見
今回注目したいのは、Xユーザー・やきうどんさんが投稿したポスト。
「余裕で戦前の物が売ってるハードオフ、怖い」と綴られた投稿には、ギターと、木でできた謎の物体を写した写真が添えられている。値札を見ると、衝撃の事実に驚き。

なんとこちらの物体は、100年前に作られた木製暗箱カメラセット『感謝号』(浅沼商会)と判明したのだ。

また、ギターの方も今から90年前に作られた物のようで、どちらもとんでもないビンテージ品である。
■発見者は「状態も良い」と驚き
こちらの光景は人々に衝撃を与え、Xユーザーからは驚きの声が多数寄せられている。
ポスト投稿主・やきうどんさんに確認したところ、当該の店舗は「ハードオフ藤沢店」と判明。発見時の様子については、「まさか100年近く前の物があると思ってなかったので、驚きました…。しかもすごい状態が良くて、ハードオフには何でもあるな、と思いました」と、振り返っている。
また、店舗名を知ったXユーザーからは「色々な物が置いてあって、楽しかったところです!」というコメントも寄せられており、同店舗では他にもユニークな商品を取り扱っているようだ。
今回話題となった木製カメラセットの詳細をメーカーの浅沼商会に問い合わせたが、残念ながら一切の返答が得られなかった。いくら老舗メーカーと言えど、100年前の自社製品に関する情報は流石に残っていないのだろうか。
そこで今回は、その他取り扱い商品の詳細と併せ、ハードオフ藤沢店に話を聞いてみることに。
■そもそもカメラってどんな仕組み?

当該のカメラセット『感謝号』について、ハードオフ藤沢店・店長は「カラーが発達する前の、モノクロの蛇腹カメラです。当時のカメラはハイソなもので、フィルムに至ってもかなり良いお値段の時代でした」と説明しつつ、「これをお持ちになった方は、資産家だったのかもしれません」とも分析していた。

かなり貴重な年代物であることは分かったが、今はスマホカメラが当たり前の時代。全く想像すらつかない、同カメラの使用法を尋ねてみる。
同店長はまず、「真っ暗な中でフィルムを準備します。フィルムは光に当たると感光し、背景や人物が浮かび上がってきます。それゆえ、明るい場所にフィルムを出すと使い物にならなくなってしまいます」と、基本となる原理を確認。

続けて、「光が強すぎても弱すぎても写真に影響が出るので、レンズのピント調整やフィルムの感光時間などの技術も必要になってきます。フィルムの感光ができたら、また光が当たらないように真っ暗なケースなどに入れて保管します。それを暗室で特殊な液体に浸すことで映像を固定化すると、光が当たっても写真が変化しなくなります。こうして写真ができるワケです」と、写真撮影の仕組みを説明してくれた。
ちなみに、モノクロフィルムは赤い色にほぼ反応しないという。こちらを踏まえ、同店長は「映画やドラマで『赤い部屋』の演出があるのは、そういった理由があるのです」とも補足していた。
■100年前のカメラ、使い方は意外と簡単?
カメラの基本を理解したら、次は『感謝号』の使用法を見ていこう。

まずはパーツを組み立て、本体裏側にフィルムケースを装着。この際、暗室などで光が当たらないように装着するのを忘れないように。

フィルムケースは横側にスライドする機構があるので、撮影時にスライドさせることで、フィルムを屋外に露出・感光できる仕組みとなっている。

そして、いざ撮影! …と言いたいところだが、フィルムケースをスライドする際、木材の隙間などから微小な光が差し込む恐れが。こうした微小な感光を防ぐため、黒い布を撮影者の頭ごとカメラに被せ、撮影する必要があるのだ。

ハードオフ店長は「内部は赤い布で覆われており、赤色なので光が反射しても影響がほぼありません」とも補足している。
ピントを合わせ、問題なければフィルムケースをスライド。これによりフィルムが無事感光できたので、時間に応じてスライドを閉じるなどして、余計な感光をしないよう保管しておこう。
なお、この時間は環境に応じて変わるそうで、同店長によると「1/125秒から1分ほどですが、そこはレンズの兼ね合いも含めてのため、あくまでも参考程度の数値です」とのこと。
仕組みさえ分かれば、たとえ100年前のカメラであっても、意外と簡単に使えてしまうのだ。
■なぜ店に大昔の品が集まるのか?
当該のカメラについて、ハードオフ店長は「当時の生産量は多かったようで、幅広く普及していたそうです。しかし現在では数も少なく、歴史的財産として保管する博物館もあるそうです」と、説明する。
果たしてなぜ、同店舗にはこうした歴史的な商品が多数販売されているのだろうか。
こちらの疑問を受け、同店長は「江戸時代から、藤沢市は東海道の宿で栄える場所の一つで、鎌倉・江の島などの観光地が近いほか、歴史的にも古い立地にあります」と、前置き。
続けて、「その古くから続く土地に日本初の別荘地ができ、駅もできれば工場も豊富に建ちました。人が集まる場所には蔵があり、商店で使っていた物もあったはずです。歴史がある土地では歴史的な物が、人から人に巡り巡っていくのではないでしょうか」と、分析していた。

また、こうした商品を見て、「祖父母の遺産を譲り受けたら見つけた物や、幼少期に使っていた覚えがある品々など、物には様々な思い出が込められています。昔と今では物の価値は異なりますが、こうして目の前に健在している物を見て、思い馳せることがあります」と、粋なコメントを寄せてくれた。
興味がある人は、ぜひ同店舗を訪れてみてほしい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




