高校野球、強烈な頭部死球→すぐ試合復帰 “美談”に報じるメディアへ賛否「命を軽視している」

26日の英明高校対東北高校戦で発生した頭部死球⇒その裏復帰の事案。ネット上では疑問の声も…。

阪神甲子園球場・第105回全国高校野球選手権記念大会

26日に行われた春のセンバツ高校野球、英明高校(香川)対東北高校(宮城)戦で、頭部死球を受けた選手の扱いを巡り、ネット上で議論が勃発している。


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■英明の選手が頭部死球で退場

事の発端は、4回表に英明の選手が東北の投手から頭部死球を受けたことだ。打席でしばらく倒れ込み、大会関係者によって担架でベンチ裏に運ばれた。高校野球独自のルールにより、打順が最も遠い選手が代走に出る「臨時代走」が送られた。

裏の守りになると、頭部死球を受けた選手がベンチから守備位置に走り、球場からは拍手が送られる。ネット上でも「ケガがなくてよかった」「大事に至らなくて何より」などの意見が上がり、一部メディアも「美談」として記事化した。

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■疑問の声が相次ぐ

この記事が拡散されると、「脳震盪かもしれないのに出場させたの?」「すぐに病院で検査するべきではないか」「選手の命を軽視しているように見える」「美談にするな」など、疑問の声が相次ぐ。

またこの話題を報じたXのアカウントに「脳震盪は目立った外傷が見られないこともあるが、後遺症を残すことがある。特に短期間で頭部に衝撃を受けると、それが軽い衝撃だったとしてもセカンド・インパクトシンドロームという致死性の高い疾患を生じることがあります。現場判断で競技復帰させず、競技者本人の安全を第一に行動することが重要です」というコミュニティノートがつけられた。

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■ラグビーは最新機器で管理

ラグビーでは、選手が内部にセンサーを搭載したマウスピース(スマートマウスガード)を装着し、頭部への衝撃を数値化。一定の基準を超えた場合は医療スタッフに通知され、選手は脳震盪の有無を確認するための検査(HIA)を受ける仕組みが導入されている。

野球の場合、頭部に衝撃を受けることはかなり少ないが、高校野球でも130~150キロのスピードを投げる投手がいるため、直撃すればヘルメットを着用しても、危険な状態になることがある。

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■ドクターが診察した可能性もあるが…

英明のケースでは臨時代走が出ていたため、その間にドクターが診察した可能性も。しかし脳震盪のリスクが認知され、高まっている現代では「危ないのでは?」と感じるファンのほうが自然なようにも思える。

コアなファンからは「このままでいい」という意見もあるが、注目度の高い大会であるだけに、今後、見ているファンが安心できるような仕組みも検討してもらいたい。

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■執筆者プロフィール

佐藤俊治。Sirabeeには2015年11月から参画し、月40本程度プロ野球関連記事を執筆中。YouTubeで発信する野球評論家ウォッチャーでもある。野球は高校からメジャーまで年間50か所以上で現地観戦。プロ野球の贔屓チームはなく、どこのチームのファンでもない。「あの選手、あそこに行ったんだ」という目線で見守っている。

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(文/Sirabee 編集部・佐藤 俊治

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