民家の玄関先に猟犬が侵入トラブル、猟師の言動に住民は「怒りを覚えた」 市は「丁寧な対応求めている」と説明
埼玉県民家の敷地内に猟犬が侵入し、飼育する動物を威嚇したという投稿が話題に。猟師の言動に対し、疑問の声が上がっている。
ヒグマ駆除の重要性をめぐり、「猟師やハンターの待遇を改善すべきだ」という風潮が高まっている昨今。
しかし現在X上では、そうした流れに逆行するかの如く、とあるユーザーがハンターから受けた横柄な態度をめぐり、波紋が生じているのをご存知だろうか。
■自宅の敷地内に猟犬が侵入

ことの発端は、Xユーザー・Kahoriさんが投稿した「埼玉県で、猟犬が勝手に我が家の敷地内に入ってきたので、警察呼びました!」という物々しい1文から始まるポスト。
埼玉県で、猟犬が勝手に我が家の敷地内に入ってきたので、警察呼びました!
動物が襲われそうになりました。
そして捨て台詞のように… pic.twitter.com/YIqnpuC6Yv
— Kahori🌱花と猫と野菜の暮らし (@neconecomirin) March 15, 2026
「動物が襲われそうになりました。そして捨て台詞のように『猟犬なんだから仕方ないんだよ! 呼んでもこないことがある。それが猟犬だから。市から頼まれて俺達はやってるんだ! なにも悪くない』とか言っていたことが許せません」と続き、「法律に違反している点はいくつかあったので、犬は全力で守り、人間の処罰をしてもらう」と、ことの経緯が綴られていた。
当該のポストには筋肉質な猟犬と、「有害鳥獣捕獲実施中」という大きなステッカーを貼った車両の写真が添えられている。

こちらの投稿は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「人様の敷地に入って動物を襲おうなんて、言語道断」「猟犬のコントロールもできない猟師なのか…」「動物が襲われそうになっている時点で、猟犬の躾ができていない」「行政はこの態度を許可してるの?」といった疑問の声が上がっていた。
■ハンターは「猟犬だから仕方ない」と説明か
ポスト投稿主・Kahoriさんに話を聞いたところ、ポストの内容は15日昼頃、埼玉県日高市内で起きた出来事だという。
当時の状況について、Kahoriさんは「玄関先でニワトリと日向ぼっこをしていたところ、猟犬がニワトリに飛びかかりそうな勢いでやって来ました。私が大きな声を出したので、逃げていきました」「付近にいた高齢のハンターの方は遠くから走ってやって来て、『早く戻ってこい! おら!』と、犬に怒鳴りちらしていました」と、振り返る。
その際、「なぜうちの敷地内の玄関まで入ってきているのですか? 襲われそうになりました」と抗議したところ、ハンターからは「猟犬なんだから仕方ないんだよ! 犬だから、呼んだって来ないときもあるんだから。私は市から頼まれて仕事としてやっているだけだから、私は悪くない! 文句があるなら市に連絡しろ! 市民のためにしてやっているんだから感謝しろ」と、言い返されたそう。
謝罪の言葉や反省の態度は見られなかったようで、Kahoriさんは「犬のせい、市のせい、全て自分は悪くない、と全く反省する様子もない人が猟銃を持っていることに、怒りと恐怖を感じました」と、振り返っていた。
身の危険を感じて警察に通報したところ、ハンターには「厳重注意」がなされたという。その後、Kahoriさんは日高市と日高猟友会に抗議のメールを送っている。
■依頼した市に話を聞いた
続いては、Kahoriさんの語る内容が「事実であるか」を確認すべく、埼玉県猟友会に事情を聞いてみることに。
同会の回答は「有害鳥獣捕獲につきましては通常、行政の計画及び依頼に基づき、実施されています。行政に関わる業務であることから、地区猟友会として主体的に取材をお受けすることは難しいものと存じます」というもので、要約すると「市に確認してほしい」ということであった。
そこで続いては、日高市市民生活部産業振興課の農政担当者に、話を聞いてみることに。
担当者は「3月15日は日高市発注の年間を通じた有害鳥獣捕獲作業の一環として、日高猟友会が作業に当たっています」と説明。なお、ハンターの出動に関しては「銃器による捕獲作業を実施することについては、毎年4月1日付で作業区域に周知しております」とのことで、約1年前に住民に周知された情報となるようだ。
猟犬の事情については、「猟犬は従事者の指示により行動するよう訓練されています。山中で、目的とするイノシシなどの獲物を追っているときは獲物を追うことを優先しますが、本事案のようにイノシシなどを探しているうちに山に接する民家に迷い込んだ場合などは、到着した作業者の指示に従い、回収されています」と説明する。
そのうえで、今回Kahoriさんが訴えているハンターの言動については一部を認め、「今回のように受け取られたことについて、より丁寧により誠意ある対応をするよう、作業者である猟友会に求めてまいります」「有害捕獲作業に際しては、住民の理解と協力が必要なので、作業者である日高猟友会に対しては、作業時における言動およびトラブル発生時に、丁寧に誠意ある対応を取るように求めております」と、コメントしていた。
なお、Kahoriさん側にも猟友会からの謝罪はなかったという。
一方で日高市からは抗議に対する返信があり、「猟犬を山林内で回収する体制が不足していたこと」を本事案の発生原因と判断し謝罪すると共に、具体的な再発防止策を表記していた。
しかし、猟犬の私有地侵入が過去にも及んでいる点や、市の提案する防止策では「容易に侵入できてしまうのでは」といった疑問から、Kahoriさんは市に再度の確認を依頼している。
市民の安全が保障される解決策が提示されることを願いたい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




