アカデミー賞最有力候補の“卓球コメディ映画” ティモシー・シャラメが演じる「クズな最低男」が最高
ティモシー・シャラメが実在の卓球選手をモデルにした役を務める『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』が3月13日公開。

1950年代のアメリカ、ニューヨーク。靴店で働くマーティ・マウザーは、卓球の世界チャンピオンになって、人生一発逆転するべく、あらゆる画策をするのですが…?
このマーティは、全米男子シングルス選手権で優勝経験のある卓球選手、マーティ・リーズマンをモチーフにしたキャラクター。マーティ役を演じたティモシー・シャラメが、第98回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされるなど、全9部門で優勝候補となっている『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』が3月13日より公開。
アカデミー賞最有力候補と呼ばれる本作の魅力に迫ってみましょう。
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■3度目のアカデミー賞主演男優賞は

マーティ役のティモシー・シャラメは、本作で、アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデングローブ賞、クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)で主演男優賞を獲得。
ティモシーにとって、アカデミー賞主演男優賞のノミネートは、今回で3回目。早くも本命との評判も高く、質の高い演技を披露しています。
■繊細さと音楽的才能と

ティモシーの初アカデミー賞主演男優賞ノミネート作品は、『君の名前で僕を呼んで』(2017年)でした。大学生の青年と恋に落ちる少年を演じ、その繊細でやさしい演技で、一躍世界中を虜にしたといっても過言ではありません。
次にノミネートされた『名もなき者/A Complete Unknown』(2024年)では、現役シンガーソングライター、ボブ・ディランの若かりし頃を好演。劇中歌も自身で演奏して歌うなど、音楽家としての才能も見せています。
■まったく違う最高の最低ぶり

ところがマーティは、いままでのティモシーのイメージを覆す“最低男”なのが最高といえるでしょう。
自分の目的のためなら、平気な顔で人をだまし、不利になると、ころりと手のひらを返す、清々しいほどのクズぶりを発揮しています。それでもどこか憎めないのは、ティモシーが従来持つ「壊れてしまいそうな繊細さ」が見え隠れするせいでしょう。根っからの悪人ではなく、のし上がろうとする若者特有の野心がむき出しになっているだけなのかもしれません。
ジョシュ・サフディ監督曰く、「マーティが夢をかなえるために必死になれるのは、自分に自信があるからだ。だが最後には、一番大事なのは他者からの信頼と分かる」。マーティが他者から「奪う」行為を重ねた末に行き着いたのは、その中にも他者に「与えた」ものがあったと気づくことなのかもしれません。その瞬間、最低な男は、最高の人間味を帯びるのです。
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『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
3月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
公式サイトはこちら!
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(文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ)




