「作品の冒涜」から当たり前になった倍速視聴 5年半で7人に1人→3人に1人へ
かつては否定的な意見が多かった動画の「倍速視聴」。2020年から2026年を比較すると…。

YouTubeやNetflix、TVerなど、次々とコンテンツが配信される現代。かつて「倍速視聴」といえば、一部では「邪道な行為」「作品の冒涜」とも言われ、バラエティ番組でアリかナシかが議論されていたことも。
しかし、今では当たり前の習慣として定着しつつある実態が、調査から見えてきました。
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■倍速視聴、かつては「7人に1人」だった

今から約5年半前の2020年9月、Sirabee編集部は全国10代~60代の男女1,844名を対象に「YouTubeを倍速で見ることが多い人の割合」を調査(この結果は2021年5月に記事として公開)。
全体では14.2%が該当し、およそ7人に1人が日常的に倍速視聴している結果に。最も多いのは10代で約28.4%、次いで20代の約18.7%と、若者がその中心でした。
■5年半後には約2.4倍の「3人に1人」

そして2026年2月、全国10〜60代以上の男女776名に「YouTubeやNetflixなどの動画サイトで倍速視聴をすることが多いか」を調査したところ、全体の33.9%が「倍速が多い」と回答。
対象人数や条件は前回調査と異なりますが、約20ポイント増加。その規模は約2.4倍に拡大しています。
■「タイパ」を重視する30代

この調査結果を年代別に見ると、倍速利用率がもっとも高かったのは30代で40.3%。10〜20代の34.8%を上回り、働き盛りの世代ほど倍速視聴を取り入れているようです。5年半前に倍速視聴を取り入れていた20代が、そのまま30代になった影響もあるのかもしれません。
また、時間の使い方をめぐる事情が考えられます。仕事のスキルアップや家事・育児の情報収集など、30代にとって動画は娯楽だけでなく「生活を向上させるツール」。実際、現在30代の筆者もそうですが、作業をしながら耳だけで聞いたり、フルテロップの動画を本を読む感覚で見たりするなど、動画の使い方自体が変わってきました。
一方で10〜20代はTikTokなど、最初から短い動画に触れる機会が多く、「倍速で早める」よりも「短い動画を選ぶ」方向に寄っている可能性も。
若者は動画の「短さ」を選び、30代は動画の「速さ」を選んだ、ともいえるかもしれません。
■60代が「かつての若者」を超えた
5年半前、倍速習慣の割合が5.5%だった60代は、今回調査の「60代以上」では22.5%でおよそ4倍に。当時の20代が18.7%だったことを考えれば、今のシニア世代は当時の若者よりも動画を倍速で見ていることになります。
かつては「操作が難しそう」と敬遠されがちだった動画視聴も、いまやシニアにとっても身近な存在。つまり、倍速視聴は若者特有の文化ではなく、動画を見る人すべてにとって身近な選択肢だといえます。
かつては「作品への冒涜」と強い言葉で語られることもあった倍速視聴ですが、膨大な情報量のものから取捨選択するために生まれた「現代人の生存戦略」なのかもしれません。
■執筆者プロフィール
二宮新一:Sirabee編集部員。年間700本以上のエンタメニュース、グルメ・レシピ、商品レビュー記事を執筆。
芸能人愛用のグッズやインフルエンサーおすすめグルメ、料理研究家のレシピなど、気になる情報をわかりやすく届けるのがモットー。記事を通じて「読んでよかった」と感じてもらえる瞬間を大切にしています。
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(取材・文/Sirabee 編集部・二宮 新一)
調査対象:全国10代~60代の男女776名




