狂犬病注射で話題、とやまソフトセンターが動画制作の舞台裏明かす 取材につけた「たった1つの条件」が最高すぎる

予防接種に赴く犬と飼い主のリアルな姿を映した動画シリーズが「微笑ましすぎる」と話題に。制作会社・とやまソフトセンターは反響に感謝しつつも「動画の切り抜きはやめて」と呼びかける。

2025/12/25 11:05

主役は遅れてやって来るもの。X上では、12月に突如現れ、瞬く間に覇権コンテンツとなったある動画シリーズが話題となっているのをご存知だろうか。


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■Xで話題「とやまソフトセンター」って何だ?

12月11日ごろ、X上に突如、犬と飼い主の動画があふれかえることになる。

これらは富山県の映像制作会社・とやまソフトセンターが制作したもので、予防注射に訪れた犬と飼い主たちの等身大でリアルな様子を収めた「ドタバタ劇」シリーズの一幕。

「ドタバタ劇」シリーズ
画像提供:とやまソフトセンター

犬好きの間では以前より認知されていたが、同シリーズの動画から「特に好きな犬と飼い主」を切り抜いて紹介する投稿が流行りだし、多くのネットユーザーの人気を博す事態へと繋がったのだ。

同シリーズが、多くの人々の心をつかんだ理由としては次の3点が考えられる。

まず1つ目は、同シリーズが犬と飼い主の「リアルな姿」を捉えている点。登場人物の言動が妙に芝居がかっていたり、動物の心情を人間側で勝手に解釈した挙句、人間ボイスのアテレコをする動画を観て、ウンザリした経験はないだろうか。

しかし「ドタバタ劇」シリーズは、会場を訪れた犬と飼い主、そして獣医師による予防接種の光景が続く、非常に客観的な内容。かといって堅苦しいわけでもなく、もちろん変に笑いをとりにいっているワケでもない。

ときに悪戦苦闘し、ときには驚くほどスムーズに注射が完了するリアルな姿に、視聴者からは「観てると実家の犬を思い出す」「地域密着で、優しさにあふれてるのが好き」「スタッフさんたちの、動物に対する敬意が感じられる」といった声が上がっているのだ。

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■「動画の切り抜き禁止」にも関わらず…

そして2つ目は、ナレーター男性の口調、ワードセンス。

どの動画を観て同シリーズに興味を抱いたかは人によって異なると思うが、「片手に現ナマ、小脇にコーギー」というフレーズがきっかけとなった人は少なくないだろう。

これは、車から降りた女性が手際よく予防接種を受けるべく、片手に予防接種の費用(現ナマ)を持ち、小脇に愛犬(コーギー)を抱えた様子を語るナレーションである。

このように、同シリーズでは淡々としつつも犬に対する愛情を感じさせる男性ナレーターの抜群のワードセンスが、随所で見られるのだ。視聴者からは「声に出して読みたい日本語」「語感が良すぎるだろ」「編集も素晴らしいし、ナレーターの方の声が心地良い」など、称賛の声が続出している。

そして3つ目が、映像に映った犬や飼い主に、非常に真摯な対応をしている点。

じつは、とやまソフトセンターのYouTubeチャンネル説明欄には「動画の切り抜きは認めていません」と、ハッキリ明記されている。つまり今回は皮肉にも、同社が「禁止している事項」によって、一連の動画シリーズが大きな注目を集める結果となったのだ。

そのため今回のバズりを受け、同社は「いつもご視聴頂きありがとうございます。多くの方に動画をご視聴頂きとても嬉しいのですが、一方でその切り抜きがSNSに出回っております。私たちは飼い主さんに、撮影した動画が他の方のSNSアカウントで公開される許諾を得ておりません。どうか動画の転載をおやめください」と、改めて呼びかけている。

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■「真摯な姿勢が感じられる」と称賛の声

一方で「切り抜き投稿=悪」と断じているワケでなく、「ほとんどが『このシーンいいよね』と悪意なく動画を切り抜いて投稿されるのだと思います。しかしその部分だけがクローズアップされて、その背後にある飼い主さんの思いや、喜び・悲しみ、感謝といった、察することができない微妙な事情が伝わらず、ときには誹謗中傷されることがあります。飼い主さんのご厚意を無にしたくありませんので、切り抜きはされないよう、よろしくお願い申し上げます」と、事情を説明しているのだ。

誹謗中傷というのは「相手を貶めてやろう」という意図のある投稿だけでなく、ときには善意による投稿を発端とし、受け手が疑念的に解釈して起こるケースも珍しくない。特に情報が一部しか確認できない「切り抜き」ではそのリスクはグンと高まるだろう。

こうした注意を呼びかける姿もまた、ユーザーからの「真摯な姿勢が感じられ、信頼できる」「転載が駄目な理由も、説明の仕方も非常に誠実」といった称賛の声に繋がっているのだ。

そこで今回は、話題の「ドタバタ劇」シリーズの詳細をめぐり、とやまソフトセンターに詳しい話を聞いてみることに。その結果、同社の真摯な姿勢が改めて明らかになったのだ。

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■本来は取材NGの同社、譲れない条件あった