逗子海岸に無断進入した車が5時間の立ち往生、「迷惑すぎる」と波紋 救出した消防署に事情を聞いた
逗子海岸に無許可で進入した車両がスタックして立ち往生。地元の消防署が数時間かけて救出する事態となった経緯を、関係者らに取材した。
■本来は消防の「業務外の対応」なのに…
救出に当たった逗子市消防本部・消防予防課は今回のケースについて、「7日18時15分、ジェットスキーを海から引き上げるため車両を浜に乗り入れて動けなくなったと、関係者から119番通報を受けています」と、説明する。
到着後の対応については、「Xの写真にもある状態で、前後輪の3分の1程度が砂に埋まり、前輪付近まで波が来ていた状態でした。スコップで砂の除去作業を行ないながら、自走できる場所まで車両を押して移動させ、21時30分に作業完了しております。車両につきましても、自走できる状態でした」とのこと。

本件には様々な「例外」が存在しており、まずは車両の侵入経路。
当該車両が進入したと思われる場所は、通常ならバリカー(車止め)にて車両が進入できないようになっている。しかし前出の通り、海の家の解体作業中であったため、事業者・関係者がバリカーを外していた可能性が高い。たとえ、外していなかったとしても、普段からバリカーに施錠はされていないため、「外そうと思えば外せる」状態であったという。
また、このような車両の救出は通常、消防の「業務外の対応」に当たることも判明。
逗子市消防本部の担当者は「民間業者では対応できないと断られていることから、消防本部で対応しております。災害対応が優先であるため、災害時には対応を打ち切る等のことを関係者には伝え、対応いたしました」と、説明している。
このようにタイヤが砂浜に埋まってしまった場合の対応については、「基本的には自力での対応は難しいため、対応できる業者を探していくことになると思います。危険な事例につきましては、車両を移動させる際の運転者等の負傷や、沖合に漂流してしまった場合の船舶等への影響、燃料やオイルの流出による海業の影響が考えられます」と、分析していた。
なお、JAFに確認したところ、JAFでは「砂地でのスタック」にも対応自体はしていることが判明。しかし、「ロードサービス利用約款」の第14条にて「ロードサービスをご利用いただけない場合等」を定めており、今回のケースは何らかの理由でこちらに抵触したものと思われる。
■神奈川県は「海岸へ車での乗り入れは避けて」
本件に関し、逗子海岸を管理する神奈川県・河港課からは「他の利用者の安全の観点のほか、海岸は自動車の通行に適しない場合もあります。基本的に車止め等で進入できないようになっていますので、海岸へ自動車で乗り入れることは避けて頂きたいです」と、コメントしている。
今回の一件は、「市道」のルートから、車が進入したものと言われており、市道を管理する逗子市の経済観光課 担当者からは「今後は、バリカーに鍵をつけるなどの対策を行なっていきます」との回答が得られた。
市の方でも対応が不十分な部分が無かったワケではないが、流石にこのようなケースは想定していなかったのだろう。レジャーを楽しむ際は、自身の行動が「多方面に生じる迷惑」に波及しないよう、最低限の慎みを持って行動したい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




