SNSで日本語しか使わないアメリカのバンド・Millingtonが話題 「日本語縛り」の理由を聞いた

アメリカのバンドにも関わらず、SNSで日本語しか使わないバンド・Millingtonが話題。バンドの中心人物に、日本語投稿の理由を聞いた。

2025/09/03 10:30

■ある1人の「日本人ファン」がきっかけで…

バンドのXアカウントの詳細について、Codyは「僕たちのアカウントを一目見ただけでは、日本のファンアカウントだと思うかもしれませんが、実際は僕が運営しているアカウントです。僕の夢は、日本で大きなライブをやることなので、日本のファンに向けてXで、日本語で宣伝することにしました」と、説明する。

なお、バンド内で「簡単な挨拶以上」の日本語を話せるのはCodyだけなので、「もし日本でツアーが決まったら、もちろんミリントンのみんなにも日本語を勉強してもらいます」とも語っていた。

Codyが日本語を勉強するきっかけとなったのは2018年ごろ、まだ今よりも知名度が低かったミリントンに対し、ある日本人のファンが「日本語だけ」を使って、SNSでバンドを絶賛してくれたことだという。

Codyは当時の心境について「本当に嬉しかったです。それに、僕は子供の頃から日本製のゲームが大好きだったので、日本語を学ぶことにしました」と、笑顔で振り返っている。

当初は教科書だけで日本語を勉強していたが、インターネットを通じて趣味の合う人々と仲良くなり、次第に堅苦しい勉強法でなく、カジュアルな会話で、自然な日本語を覚えていってたのだ。


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■悲劇を乗り越えたからこその「明るさ」

ミリントン誕生の歴史は、約10年ほど前に遡る。

2016年ごろ、ロサンゼルスでポップパンクバンド・Blink-182のインターンとして働いていたCodyは、そのスタジオ環境に大きな刺激を受けたという。その後ニューヨークに戻り、「自分でもバンドを結成したい」と、強く思うようになったのだ。

Codyは「僕はずっとスカパンクが好きで、親友のJonがトロンボーンを演奏していたこともあり、2018年ごろにミリントンを結成しました。スカパンクをベースにしながら、エモの要素も取り入れた楽しいバンドです」「最初はフルタイムのメンバーが揃っていなかったので、僕とJonだけでアルバムを録音しました。そのときは純粋に楽しむこと、そして僕自身が録音方法を学ぶことが目的でした。続いて新型コロナウイルスが流行する直前に2枚目のEP『Beatdown Generation』(2020年)を制作し、少しずつファンやメンバーも増えていきました」と、当時の様子を振り返る。

バンドとして順調なキャリアを歩み出したミリントンだが、そんな彼らを悲劇が襲う。

ロックダウンを経験し、活動再開も間も無くか…という時期にJonが亡くなってしまい、バンドは暗い時期を迎えることに。そんな中でリリースされたEP『Welcome Home』(2023年)は、外出できないフラストレーションや、大切な人を失った悲しみをテーマにした、とても感情的な作品となっている。

Millington
(画像提供:Millington)

言葉にできない深い悲しみと直面した彼らだが、決してその歩みを止めない。少しずつ、少しずつ悲しみから立ち直り、現在はCody Okonski(Vo.Ba)、Alex Maloy(Gt.Vo)、Nick Cavin(Dr)、Chris Paul(Tb)、Pat Foxton(Sax)、Nathaniel McKeever(Tp)の6人で活動中。

Millington
(画像提供:Millington)

今年7月にリリースしたEP『Better Safe and Sorry』には、より明るく、夏らしい雰囲気の楽曲が収録されている。

感情的な楽曲を聴きたいなら『Welcome Home』、ハッピーで軽快なサウンドを求めるなら『Better Safe and Sorry』がオススメとのこと。なお、エモコアに通じる「泣き」のメロディーが好きな記者個人としては、『Beatdown Generation』がオススメである。

Millington
(画像提供:Millington)

Codyは「どの作品でも、キャッチーなメロディーと楽しいホーンパートを大切にしています。大事なのは、音楽を作るときに自分たちが楽しんでいることだと思います。たとえ感情的な曲であっても、楽しんで演奏していれば必ずその気持ちは伝わり、聴く人にも届くと信じています」と、楽曲に込めた想いを語ってくれた。


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■日本の「好きなところ」を聞いた

ミリントンを紹介する上で、忘れてはならないのが7人目のメンバー・Heidiちゃんの存在だろう。

Heidiちゃん
(画像提供:Millington)

甘えん坊で頭の良いHeidiちゃんは、今年13歳を迎えたジャーマンシェパードで、バンドのマスコットだという。Xの投稿動画にはHeidiちゃんの姿も写っており、日本のファンからは「かわいい!」と、大人気だ。

また、ミリントンの作品の裏ジャケには、ほぼ必ずHeidiちゃんのイラストが描かれており、思わず笑顔になってしまう。

もはや「なぜ日本でライブをしないのか?」を通り越して「なぜ日本に住まないのか?」の域に達しているミリントン。

Millington
(画像提供:Millington)

日本のイメージを尋ねると、Codyは「日本の人々が僕たちのことを応援してくれて、ワクワクして本当に嬉しいです。日本ではバンドや、芸術的なものがとても愛されているイメージがあります。僕は今年、HEY-SMITHの川崎でのライブに誘ってもらい、日本人のファンのみんなの盛り上がりに本当に感動しました。日本は道が綺麗だったり、安全だったりするだけでなく、人同士のお互いへの尊敬がとても素晴らしいと思います」と、熱弁してくれた。

Millington
(画像提供:Millington)

なお、来日公演の予定については「日本のファンの皆さん、いつも応援してくれて本当にありがとうございます! 近いうちに皆さんのところでライブをできるように準備しているので、もう少しだけ楽しみに待っていてください」とのコメントが得られている。

Millington
(画像提供:Millington)

まだミリントンを聴いたことがない読者諸君は、ぜひ忘れずにチェックしてほしい。

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