道路に現れた6文字の看板、とんでもない警告にギョッとしたが… 「さすが遠野」と称賛相次ぐ
道路沿いに設置された「カッパに注意」という看板のインパクトが話題に。「さすが遠野」と、驚きの声が相次いでいる。
■「走行注意」を「かっぱに注意」に変更したワケ
伝承園近く。
冬は「凍結注意」にかわる!
カッパの飛び出し確率が減るからかな🤔(J)#河童の看板上げていこう pic.twitter.com/GyhgxpCrfD
— 遠野 伝承園 (@tono_densyoen) May 13, 2025
今回の写真が撮影された地点の交通事情について、遠野土木センター・道路河川整備課の担当者は「市道との交差点であり、交差点の注意を促す必要があるほか、冬季には風雪などにより路面凍結が発生しやすい地域です。そこで、当センターでは平2012年7月に供用を開始しました土淵バイパス(かっぱロード)の開通に伴い、交差点での注意を促すため2種類の表示が表示できる看板を設置することとしました」と、説明する。
通常であれば「凍結注意」と「走行注意」の2種類とすべき、シチュエーション。
しかし、担当者の口からは「現地近傍には地元・遠野市の観光名所である『カッパ淵』や『伝承』」があること、また道路の通称名にも「かっぱロード」の名が付いていることなどから『走行注意』の表示内容を『かっぱに注意』に変更いたしました」という、エピソードが飛び出したのだ。まさに「英断」である。

こうした取り組みを見て、「遠野はいつも、河童ネタばかり擦っている…」という印象を受けた人もいるかもしれない。

だが、担当者からは「現地には野生動物も多く生息しており、その飛び出しも多いことから、安全な走行をして頂くよう、注意喚起するため設置しているものです」とのコメントも得られている。

つまり、遠野にとって河童は単なるマスコットではなく、自然と人間の共存を象徴する存在と言えるのだ。
■遠野かっぱ工事隊、爆誕
「かっぱに注意」の看板が設置されたのは2012年のこと。そう、東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災の翌年である。
震災後の状況について、遠野土木センターの担当者は「岩手県の沿岸部が大きな被害を受けました。遠野建設業協会は震災発生当日から沿岸部に人員と重機を投入し、道路の啓開作業や、がれきの撤去作業に従事するなど、沿岸の復興支援に重要な役割を担ってきました」と振り返る。

中でも、遠野地区に開通したかっぱロードは、内陸部と沿岸部を結ぶ非常に重要な道路。

そこで、バイパス工事が完成する際に関連事業として、遠野の「カッパ淵」をはじめとする観光資源と震災復興に携わる建設業をPRするため、震災から1年後の3月12日に発足したのが「遠野かっぱ工事隊」である。
「かっぱに注意」という看板は、同工事隊と遠野土木センターが連携して設置したものなのだ。

「自然と人間の共存」という人類の命題に最も真摯に取り組んでいる地域は、遠野市なのかもしれない。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




