「東京まで○km」の「東京」はどこなのか、東京都も知らないと判明 職員は「回答しかねます」

案内標識に書かれた「東京まで○km」はどこを起点としているのか。東京都からは「回答しかねます」との返答が得られた。

2025/05/19 04:45

■東京都職員は「回答しかねます」

今回の取材に応じてくれたのは、東京都建設局。都道に関する専門機関である。

しかし、本件で同局を案内された際、貴社の胸に一抹の不安がよぎった。そもそも「東京まで○km」という標識は、都外から東京にやって来る人々へ向けられるもの。

不安はやはり的中し、同局からは「都道におい、『東京まで○km』としている標識は、調べた限りではございませんでした」「道路標識の表示内容は各道路管理者の判断によるため、質問に対してのご回答はいたしかねます」との返答が得られたのだ。

その後、複数の部門に同様の問い合わせを行ったが、いずれも回答が得られなかった。つまり「東京都は『東京まで○km』という標識の意味を知らない」という、驚きの事実が明らかになったのだ。

そこで、東京と隣接する埼玉県の県土整備部 道路環境課にも同様の取材を打診したところ、担当者からは「日本橋を起点とした表記になります」との回答が得られた。

しかしその根拠については、やはり「現行の法令等においての事情は分かりません」とのことであった。

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■「江戸東京博物館」に話を聞いた

国土交通省はおろか、東京都までが「東京まで○km」の正体を知らないことから、ひとつの仮説が浮かび上がる。それは、標識の表記における「標識の東京=日本橋」という概念が「法的に制定されていない」という説だ。

この説を裏付ける事実として、東京都墨田区にある「江戸東京博物館」より、興味深い回答が得られている。

同館の担当者はまず、「江戸幕府が編纂した地誌『御府内備考』(ごふないびこう)に、『此橋江戸の中央にして、諸国への行程もこゝより定めらるゝゆへ、日本橋の名ありといふ』(この橋は江戸の中央にあり、諸国への行程もここから定められるため、日本橋の名であるという)とあるように 、江戸時代において日本橋は五街道の起点と考えられていました」と、その歴史を振り返る。

続けて「その後、1873年(明治6年)に明治政府が正確な里程(距離)の調査を命じ、その中で『東京ハ日本橋、京都ハ三条橋ノ中央ヲ以テ、国内諸街道起程ノ元標トナシ』と、東京の起点を日本橋に定めています」「そして1919年(大正8年)に公布された道路法施行令により、各地に道路元標が設置され、これを基準に距離を算出していました。東京市は日本橋に道路元標を設置しました」と、説明してくれたのだ。

つまり、少なくとも大正の時点では「標識の東京=日本橋」という図式が、「法的に成立している」と言えるだろう。しかし、昭和になって転機が訪れる。

日本国道路元標

江戸東京博物館の担当者は「関東大震災後の1928年(昭和3年)に設置された道路元標は1972年(昭和47年)に道路改修のため、現在の日本橋北西詰めに移設されました。 移設された道路元標の代わりに『日本国道路元標』が設置されましたが、これは記念碑的なもので、法令に準拠したものではありません。そのため、現在の『東京まで○km』という表記が日本橋を起点にしている根拠については分からず、不明となっております」と、その経緯を語ってくれたのだ。

日本国道路元標

現在の法律上では、「首都圏」に関する定義は存在しても、「日本の首都=東京」と定める文言は存在しないという。言わば「日本の首都は東京」という考えは、暗黙の了解で成り立っているのだ。

ひょっとしたら「東京まで○km」という標識にも、同様の現象が生じているのかもしれない。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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