多くの人が知らない命名秘話 ビタミンのアルファベットに「欠番がある理由」は…
生命維持に必要なアミン類(Vital + Amine)という意味で名付けられたという。
ビタミンの種類を表すアルファベット。一見順に並んでいるようで、途中が抜けているのはどういう理由なのだろうか。
■ビタミンのアルファベットはどう決める?
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女700名を対象に実施した調査では、全体で5.9%の人が「ビタミンB、Cなどのアルファベットはどのように決められているか知っている」と回答した。
なお男女別に見ると、男性は6.9%、女性は4.7%という結果になっている。
■「ビタミン」の由来は聞いたことがあるが…
編集部が話を聞いた40代の男性は、「ビタミンという言葉が“命”だったか、“活力”だったかを意味するようなことは聞いたことがありますが、アルファベットは…」と首をかしげた。
Aから順番に付けられていったように思えるが、抜けているアルファベットもあり、どのようにしていまの名称になっていったのか気になるところだ。
■生命維持に必要なアミン類
ビタミンという名前は、1912年にポーランドの生化学者カシミール・フンクによって、生命維持に必要なアミン類(Vital + Amine)という意味の「Vitamine」と命名された。その正体は正常な生理機能を営むために必要不可欠な微量有機栄養素だ。
“その必要量を体内で作れず体外から取り入れなければならない有機化合物のうち、必要量が微量であるものの総称”と言えばわかりやすいかもしれない。
アルファベット順に並べると「ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K」それに「葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸」を加えた13種の栄養素がビタミンと呼ばれている。
■除外や統合によって欠番が生じた
1920年頃にはまだ3つだけした報告されていなかったビタミンだが、このような微量栄養素はその後も発見されるだろうとアルファベットを付けていくことが提唱され、その後、多くの研究者がビタミンであろう成分を報告することとなる。
その中で、「重要な栄養成分であるがビタミンの定義に合わない」「すでに報告されたビタミンと同じ」「あとで再現できない」などの理由から除外、統合されていった結果アルファベットに欠番が生じていった。
また、最初にビタミンBとして報告されたものが混合物であることがわかり、B1,B2などとして分類。この数字に欠番があるのも、アルファベットと同様の理由で除外、統合されたからだという。
不自然な歯抜けに見えるアルファベットは、ビタミンという栄養素が歩んできた歴史をあらわすものでもあると思うと、なかなかに感慨深い。
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(文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女700名 (有効回答数)