中畑清氏が明かす長嶋茂雄伝説 「走れよ!」キャンプで選手に挑発されると…
中畑清氏が語ったのは、地獄の伊東キャンプでの出来事。篠塚和典氏から「腕組みなんかしてねーで走れよ!」と言われた当時監督の長嶋茂雄氏は…。
■地獄のキャンプで長嶋氏が…
1979年の「地獄の伊東キャンプ」での出来事。当時監督だった長嶋氏が若手選手を対象に静岡・伊東氏で行った伝説のキャンプで、中畑氏や篠塚氏が参加した。
「野球やった中でこれほど苦しんだことなかった」というほど厳しい練習が続く中、キャンプ最終日、腕を組んでコーチらと談笑する長嶋氏が。
■篠塚氏が「走れよ!」
それを見た中畑氏は、長嶋氏を走らせようと考え「なんとかしてミスター(長嶋氏)を走らせろよ。お前が言ったら絶対走るから」と篠塚氏に指示。篠塚氏は大声で「監督! 腕組みなんかしてねーで一緒に走れよ!」と伝えたそう。
すると、長嶋氏は「見とけよ!」と坂道コースを走り出した。
■「長嶋さんと我々の距離感なくなった瞬間」
「傾斜があってきついんですよ。これが80メートルぐらい続く。そこからなだらかになって、150メートルぐらいの坂が続く。それを登りきったら、つらいんですよ。それをあの人は勢いよく行って。やっと帰ってきたらバタッと倒れて、『やり遂げたぞ』って」と過酷なコースを完走したという。
「(篠塚氏は)びっくりするぐらい、たんかを切った。あの勢いで言うとは思わなかった。普通だったら頭にくる」「長嶋さんと我々の距離感がなくなった瞬間だと思います」と中畑氏は語った。
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(文/Sirabee 編集部・荒井どんぐり)