コミケ会場散策中、恐るべきスピードで襲いかかって来た赤い機体 記者の体をひと突きで…
「間違いない…奴だ…! 奴が来たんだ」記者がそう感じた瞬間、素早い動きで接近する者が…。
今年も東京ビッグサイトでオタクの祭典「コミックマーケット104」(11〜12日)が開催された。2日間で来場したのは約26万人。ビッグサイト各館に用意されたコスプレ広場も盛況で、数多くのコスプレイヤーが交流を楽しんでいた。
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■キュートなズゴックさん
コスプレ広場で注目を集めていたのが、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』版のズゴック。
頭部中央にあるツノ、そして左右の手に生えた3本の「アイアンネイル」がSEED映画版のワンシーンを彷彿とさせる。中にはインフィニットジャスティスガンダムがいるのかな…。
そんなズゴックが記者の目の間におり、赤い目を光らせこっちを睨んでいる。…あれ、でもなんか機体が小さい。
■機体から出てきたのは…少年
丸みを帯びたズゴックのシルエット、さらにはアイアンネイルも完全に再現されており、特筆すべきは“モノアイ(目)”。ポーズをとるごとに赤いモノアイが左右に動くというギミックが仕込まれており、ちょっと悪そうな目つきのズゴックそのものである。
動きは俊敏。右に左に動き回り、力強い攻撃ポーズをとる。
取材を申し込むと、その“中”から出てきたのは小学2年生の少年・ガンドくん。あの華麗なポーズを決めていたのが彼だったのだ。良い目をしているな…。
■CADで図面を…
ガンドくんの父は造形系コスプレイヤー・白飯生活さん。二人三脚でコスプレ活動をしている。恥ずかしがり屋のガンドくんに代わって白飯生活さんに話を聞いた。
活動を始めて約1年10ヶ月、最初のきっかけは2年前のハロウィンだった。「コスプレをしようという話になり、『じゃあガンダムやってみようか』となったんです。ダンボールで作ったガンダムだったのですが、想像以上に反響をいただきまして…」と親子でコスにハマった瞬間だった。
「CAD(設計ソフト)を使って図面を作り、それをペーパークラフトにして仕上げました」と息子のために衣装制作に励んだ。
■調子に乗っていた記者をひと突きで破壊
「最近は作業に慣れてきまして、ズゴックも2週間くらいで完成させました。素材はウレタンのようなジョイントパッドを使っています」と白飯生活さん。「ガンダムと違ってボディの作り込みが少なくて済んだので、時間はかかりませんでしたね」と笑顔を見せる。
「コスプレやってから学校で人気者になったでしょ?」とガンドくんに聞くと、恥ずかしそうに首を横に振った。お父さんいわく「まだお友達もコスプレって何なのかわからないようでして…」とのことだが、間違いなく将来有望である。
ちなみにズゴックといえば、ガンダムファーストでジムを一瞬にて葬り去ったあの名シーン。「はい、これどうぞ」と白飯生活さんが記者に渡してくれたのはジムコスプレ用のマスクで、着用した瞬間ズゴックの目がギラリと光り、アイアンネイルでひと突き。
記者は華々しくジャブローに散ったのであった。