東京都区部の区の数、最初は「23」ではなかった? 知る人はわずか3割
東京23区を列記するときの並び順は、皇居が起点となっているそうだ。
東京都東部の23の特別区から構成される「東京23区」。第二次世界大戦からの復興のなかで、現在の23区に落ち着いたというが…。
■「東京23区が昔35区あった」ことを知っている
Sirabee編集部が全国の10〜60代の男女739名を対象に実施した調査では、全体で3.9%の人が「東京23区が昔35区あったことを知っている」と回答した。
男女別に見ると、男性は6.3%、女性は1.9%という結果になっている。
■興味を持って調べたことがない
編集部が話を聞いた40代の男性は、「明治維新あたりの廃藩置県や、東京市と呼ばれていた時代があったことは知っていますが、23区の詳しい歴史について興味を持って調べたことがなくて…」と述べた。
23区自体はそれほど古い歴史があるわけではないようだが、変遷についてはほとんど知られていないと思われる。
■東京都区部の始まりは15区から
東京都公文書館のHPによると、35区が現在の23区に整理統合されたのは1947年のことだという。そもそも1878年に郡区町村編制法により15区が置かれたのが区部の始まりで、1889年に市制町村制の施行によって15区の範囲に基礎的自治団体として「東京市」が設置された。区はそれに連なる組織として存続していくこととなる。
区部の設置当時はのどかな農村地帯であったようだが、その後に都市化が進み、1932年に周辺5郡82町村を20の区に改編して東京市に編入し、15区と合わせた35区としたのが、35区時代ということだ。
■皇居を起点に順番が決まっている
さらに、1943年に東京都制という法律により「東京都」が設置されるが、都制実施後も35区はそのまま都の下部組織として存続。1947年に35区が23区に整理統合され、現在に至るというわけだ。
東京都公文書館のHPには、23区を正式に列記する順番についても説明がある。旧15区時代に、皇居のある麹町区を起点として時計回りに「の」の字を書くように区の順番が定められたことから、現在も千代田区を起点に、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区…と「の」の字の順で並んでいるそうだ。
知っている街や住んでいる地域の成り立ちを辿ってみると、新たな発見があって面白いものだ。この機会に調べてみてはいかがだろうか。
・合わせて読みたい→選挙カー騒音に「仕事ができない」「睡眠妨害」訴え 「やり方が古すぎる」指摘も
(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女739名 (有効回答数)