100年以上「猛暑日なしの地」千葉県勝浦、一体なぜ… 専門家が明かす“涼しい理由”
各地で猛暑日が続く中、千葉県・勝浦は100年以上35℃を記録していない。涼しい理由を取材してみた。
■専門家が明かす「涼しい理由」
今回取材に応じてくれたのは、気象や気候変動を研究する、千葉大学 環境リモートセンシング研究センターの市井和仁教授。市井教授によれば、勝浦が涼しいのは、海底の地形と風の流れが関係しているという。
市井教授は、「勝浦付近はリアス式海岸と呼ばれ、地形が海底まで急峻(急で険しいこと)になっています。沖合に出ると海が深くなっているのですが、海底が深いと海水が冷たくなります。夏場は南から南西にかけての風が吹き、水が風と共に流れます。下から冷たい水が上がって空気が冷やされ、風と共に陸に吹くんです」と説明する。
例えるのであれば、大きな保冷剤が置いてあり、風が吹いて涼しくなるイメージだろうか…。
■「冬も寒くない」
海からの風が心地良く、過ごしやすく感じる人も多いようだ。夏涼しいと、冬は厳しい寒さに見舞われるでのないかと思ってしまう。
この点について尋ねたところ、市井教授からは「海の影響で、冬場も気温は極端に下がりません。海は年間で大きく温度が変わらないので、都心部のように、冬場も極端に下がらないと考えられます」という回答が。
避暑地として理想的な勝浦市。ただ、昨今の地球温暖化の影響が全く受けないわけではない。
市井教授は、「地球全体で温度が上がっているので、温暖化の影響はゼロではないでしょう。東京に比べると比較的緩やかであるとはいえ、最高気温は少しずつ上がっています」と話す。
とはいえ、都心部に比べて過ごしやすいのは事実。この夏、勝浦に足を運んでみてもいいかもしれない。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)、『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)、『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)