渡辺久信監督代行も被弾…伊東勤氏が語る“恐怖を覚えた打者” 「打たれる前提で…」
伊東勤氏が現役時代「恐怖を感じた打者」を告白。試合前から「後光が差していた」と語る伝説の打者とは。
元西武ライオンズの伊東勤氏が自身のYouTubeチャンネル『110チャンネル』で、現役時代に恐怖を覚えた打者を語った。
■恐怖を覚えた打者を語る
伊東氏は1番印象に残っている打者として、元近鉄バファローズのラルフ・ブライアント氏を挙げる。
そして1989年の10月12日に行われた西武ライオンズ対近鉄バファローズの試合を振り返り「西武と近鉄で優勝争いをしていて。 ダブルヘッダーだったんですよね。西武が1つでも勝てば、優勝間違いないって言われるような天王山だった」と回想。
続けて「あの日はもう最初からブライアントはね、オーラが強すぎて。僕はあまりそういうのを感じたことがないんですけど、その日は試合前から嘘みたいな話ですけど、ブライアントに後光が差していた。これは今日はやられるなと思った」と語った。
■打たれる前提で配球していた
当時の試合について伊東氏は「先発は郭泰源で、1番良いピッチャー。とにかく今日は回したら打たれるから、もうできるだけブライアントの前に走者を置かずに回したいと思って試合に入った」と振り返る。
続けて「実際、ブライアントと対戦して、最初にソロホームランかな。 そのあともホームラン。不思議なぐらいに回ってくるんですよ。後にも先にも、そんなに怖さを感じたバッターはいなかったんですけど、打たれる前提で配球していた」と回想した。
■渡辺久信監督代行も打たれて…
さらに「今、監督代行をやっている渡辺久信が抑えとしてダブルヘッダーに入っていたんですよ。シーズンで10三振くらい取って、1本か2本くらいしか打たれてないんです、ほとんどが三振。あの久信でも打たれたという。ほんとに吸い込まれていくような感じでしたね」と伊東氏は語る。
そして「1試合目に3発打たれて、試合に負けました。2試合目にまた初回に回ってきて、左中間かなんかにまた打たれたんですよね。そうしたら森祇晶監督に初回で代えられました」と肩を落とした。
ブライアント氏について「人に対して恐怖を感じたことがなかったので。神がかっているなと思いましたね」語っていた。
■4打席連続HRで近鉄が優勝
伊東氏が振り返った試合は、1989年の優勝争いの最中に行われたダブルヘッダー。
ブライアント氏が第1試合で3打席連続ホームラン、第2試合の第1打席でもホームランで、4打席連続ホームラン。試合も連勝し、勢いに乗った近鉄が優勝した。
当時西武は1985~1988年まで4連覇。その後1990~94年も5連覇を達成しており、1989年も優勝していれば10連覇だった。黄金時代の西武を倒したブライアント氏の4打席連続ホームランは「奇跡の4連発」と言われ、野球ファンに強いインパクトを残している。