やす子も間違えた「紀文」の読み、若年層の3割が誤読していた 80年前の命名秘話で二度驚く…

食品メーカー・紀文を「のりふみ」と読む人物は実在するのか。調査の結果、なんと1割以上が「のりふみ」派と判明したのだ。

2024/06/24 05:45

■「紀」と「文」にそんな由来があったのか…

紀文グラフ

調査の結果、紀文を「きぶん」と読むのは全体の84.4%、「のりふみ」と読むのは13.9%と判明した。X投票の僅差がまるでウソのような、圧倒的大差である。

紀文グラフ

…しかし性年代別の回答結果を見ると、男女共に10〜30代は他の年代と比べて「のりふみ」派が多いことに気づく。男性に至っては3割以上が「のりふみ」と回答しており、やす子と同世代はガチで「のりふみ」と認識している人も多そうだ。

さて、そもそも「紀文」の2文字のルーツは、どこにあるのだろうか?

社名の由来を説明するに当たり、紀文の担当者は「当社は1938年(昭和13年)に『山形屋米』」というお米屋さんとして創業しましたが、戦時中の販売規制の影響を受け、取り扱う商品を変更し、1940年(昭和15年)に『紀伊国屋果物店』という果物屋さんを開きました」と、80年以上前のエピソードについて触れる。

当時、消費者からは「紀伊国屋さん」の呼び名で親しまれていたが、創業者には「さん付けでなく、もっと親しみやすく呼ばれたい」という思いがあったそう。そこで紀伊国屋の「紀」の字と、妻・文子の「文」の字をとり、名前を「紀文」に改めたのだ。

紀文

その後の歴史について、紀文の担当者は「果物も販売規制がかかってしまい、1941年(昭和16年)には海産物の卸売に着手、1947年(昭和22年)に魚肉練り製品の製造を開始し、現在に至ります」と説明している。

紀文

「のりふみ」とも読めるため、紀文の社名に男性的なイメージを抱いていた人も少なくないと思うが、そのルーツは女性の名前にあったのだ。


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■それにしても紀文、ノリノリである

Sirabee(しらべぇ)に所属する記者も、取材の電話口で「しらべ」「シラビー」などと勘違いされるのは日常茶飯事。やはり紀文の社員らも、毎日のように「のりふみ」と呼ばれる日々を送っているのだろうか…?

こうした「のりふみ」事情について、紀文の担当者は「『のりふみ』と呼ばれた経験はないですが、知人に『きもん』と読まれたことはあります(笑)」と、やんわり否定。

入社決定時に友人に話したところ「なんの会社?」と聞き返され、紀文の存在自体が知られていなかった…というケースが一番多く、最も記憶に残っているようだ。

紀文

なお、2022年にも一般のXユーザーが、弁当の具のちくわに刻まれていた紀文の焼印を「のりふみ」と呼んだことがきっかけで、多くのネットユーザーが同社の新たな愛称として「のりふみ」を認知。

以来、同社では時折り「紀文」の読み方投票を実施しており、2022年は回答数が約88,000票で、62%が「のりふみ」と回答していたようだ。担当者は「今回は約477,000票と、5倍以上の回答が頂けて嬉しかったのと同時に、綺麗に半々に分かれたのが面白かったです」と、笑顔を見せる。

しかし、今回の調査で「のりふみ」派が1割強を占めた件については複雑な気持ちを抱いているようで、「Xの投票よりは少ないものの、紀文を『のりふみ』と読む方は、Xの他にも意外と多いことに驚きました」「とくに、若年層の10〜30代までは『のりふみ』と呼ぶ人が多く、若年層に向けたアプローチがもっと必要だと改めて思いました」と、結果を振り返っていた。

紀文

なお今回、25歳のやす子がテレビで「のりふみ」と誤読して話題となった件については、かなりポジティブに捉えている模様。

担当者は「社名の間違いという内容ではありますが、多くの方々に紀文のことを知って頂けたこと、ユーザーの皆様がやり取りを盛り上げてくれたことに大変感謝しております」「やす子さんにも今回の件を機に、覚えて頂けると嬉しいですね(笑)」と、前向きな姿勢で語ってくれたのだ。

紀文

これまで「のりふみ」と勘違いしていた人も今日から「きぶん」に読み方を改め、ライバルに差をつけよう。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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