矢野燿大氏が阪神タイガースの“捕手併用批判”に独自見解 「固定にこだわる必要はない」
矢野燿大氏が阪神タイガース監督時代に受けた「捕手の併用批判」に「併用があかんみたいな風潮はおかしい」と反論。
■捕手併用批判に矢野氏が持論
チャンネルスタッフから阪神の捕手が、梅野隆太郎選手と坂本誠志郎選手の併用となっていることについて質問を受けた矢野氏は「併用があかんみたいな風潮は、俺はおかしいと思っている」と語る。
続けて「セ・リーグ、パ・リーグで併用してないチームって言ったらもうないぐらい。侍ジャパンのエースキャッチャーとかになるぐらいやったら、固定されるんかなと思うねんけど。結果的に打順も、出てるメンバーも固定になるという考えなだけで、初めから固定することがいいことだとは、俺はまったく思ってなくて」と捕手併用への批判を疑問視した。
■怪我による戦力ダウンリスク回避もある?
さらに矢野氏は「俺がやってるときも、梅野隆太郎と坂本誠志郎という軸がいて。 おたがいタイプが違うキャッチャーで。監督としては、レギュラーキャッチャーが怪我とかで、キャッチャーは怪我が多いから、いなくなったときに急にチームがガタッと落ちる状態にしておきたくないっていうのもある」と監督の心情を告白。
続けて「2番手キャッチャーをしっかり育てておきたいっていうのが、たぶんどこもあるし。タイプが似ていたら、逆に使いにくいんだけど、タイプが違うからこそ、俺のときは坂本を使って、2番手キャッチャーとして、力をつけさすっていうところもあったし。俺は併用でええんちゃうかなっていう」と指摘した。
■下柳氏も同調
下柳氏も「それが見事にハマって、(去年)梅野が怪我しても坂本が厳しいところでやれたわけだから。俺も併用でいいと思う」と同調。
すると矢野氏は「俺も星野さんのときに、シモが野口(寿浩)と日曜日に出るだけでもすごいプレッシャーを感じるのよ。刺激を与えるのも必要なのよ。レギュラーを安心させないという。ずば抜けていたらそれはいいんだけど、そこまで言ってない段階なら、刺激を与えるのも必要」と語る。
そして「昔はそうやって勝ってきたというだけで、固定にこだわる必要はないんじゃないかな」と提言していた。
■かつては1人が主流だったが…
プロ野球の捕手は昭和から平成中期ごろまでは、1人の選手がレギュラーとして守るケースが主流だった。
西武ライオンズの伊東勤氏やヤクルトスワローズの古田敦也氏、福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)の城島健司氏など、突出した実力を持つ1人の選手がほぼ全試合出場することも。
現在は複数の捕手で回す起用が主流に。この起用法については解説者の間でも「固定が理想」「併用でいい」という意見で見解がわかれている。