『とうほう夜雀食堂』発売記念レビュー! ドット絵も楽曲も素晴らしい神ゲーなので全力でオススメしてみます
Nintendo Switch版が出てめでたい! 個人的に思い入れたっぷりな『とうほう夜雀食堂』をレビューしてみました。
■多数の東方キャラが来店
歌が大好きなミスティアが主人公を務める本作ならではの特徴として、夜の居酒屋パートはなんと、リズムゲームの要素も含まれているんですよね。
料理を作る際には、リズムよくボタンを押すことで、調理速度がアップしたり、配膳が一瞬で行えるようになるといった様々なボーナス効果を発動させられます。
さらに、一般のお客さんはメニューに記載されているものを注文するのですが、そうでない特別なお客さん相手には工夫を凝らす必要があります。
本作では、原作に登場する多くのキャラがレア客として来店します。そして、彼女たちはメニューにあるものを注文せず、料理や飲み物の味の好みだけを伝えてきます。
「甘いものが食べたい」「変わったものが食べたい」「中華料理が食べたい」など、要望にあった料理を提供するのが、レア客を満足させる重要なポイントになります。
もちろん、要求に合った料理のレシピがなくとも、すでにある料理に自分で素材を足すことによって「甘い」「満腹感」「あっさり」など、お客さんの好みに合わせた味付けのアレンジをすることが可能です。
彼女たちの期待以上の料理を提供することができれば、美食のお礼としてキャラごとの「スペルカード」が発動し、お店にとってプラスになる様々な恩恵が得られます。
逆に、好みではないものや苦手なもの、予算オーバーな料理ばかりを提供してしまうと、お店にとんでもない災害を引き起こすマイナスのスペルカードも発動するので注意が必要ですね。
■あったけぇ世界
最後に紹介したいのは、一見すると不幸と理不尽にまみれているようでいて、じつは優しさに溢れているストーリーです。
ミスティアはひょんなことから、なかば強引とも言えるやり口で借金を背負わされ、その返済のために居酒屋経営を強いられてしまいます。
原作では2面ボスのミスティアは、本作における立ち位置もあくまで小妖怪なので、ラスボスクラスの大妖怪や、霊夢のような強い人間には力では到底敵いません。
居酒屋の経営が続けられるかどうかも、いつか幻想郷でライブが開きたいという夢も、すべては強者の機嫌次第で決まってしまうのです。
大妖怪たちは何か思惑があってミスティアに居酒屋を続けさせたいようですが、借金に追われてその日その日を精一杯生きる彼女には関係のない問題。
そんなミスティアが、多くのキャラクターと親交を深め、やがて幻想郷の存亡をかけた「異変」に巻き込まれていくストーリーは、ハラハラドキドキが止まりません。
ただ一つ安心してほしいのは、登場人物は一人残らずいい人で、見た目の雰囲気通り、優しくて暖かいゲームだということ。
例えば、原作シリーズ主人公の霊夢。最初はツンツンで、こちらを退治しかねない勢いですが、いつのまにか危険なことに巻き込まれるミスティアの事を心配してくれるように…。
誤情報ばかりで迷惑な新聞を書いているあの射命丸文も、キチンと美味しい料理を提供すればお店の宣伝をしてくれます。
とにかくストーリーは最高なので、最後まで遊んだら本当に絶対幸せな気持ちになります。
ならなかったら木の下に埋めて貰っても構わないよ!
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■時間がとけがち
駆け足でのレビューになってしまいましたが、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
ちなみに、今回レビューしたのはSteam版ですが、Nintendo Switch版には過去にSteamでリリースされたDLCが全て同梱されています。
どちらを買うか迷っている人は、自分の環境に合ったほうで遊んでみてください。
私もこの記事を書くために久々にプレイしたら、ついはじめから遊びたくなってしまい、もうすでに40時間くらい吸われていますが、今とても満足です。
うーん、せっかくだからNintendo Switch版もはじめてみようかな…?
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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ)