『キングダム』をほぼ無料で毎週読む裏ワザ 果たしてこの行動は無駄か、有益か?
【得する経済学】コミックアプリで人気の「広告を見たらポイント進呈」というサービス。これ、経済学的には合理的な行為といえるのか?
■秘技を編み出した結果「一週遅れ」に
その週に一週間、キングダムを「禁ぐだむ」して我慢をしたところ、翌週から毎週、80ポイントで私にとっては新しいキングダムのエピソードを楽しむことができるようになったのです。
それで冒頭のシーン。その週、何やら物語が大きく動いたようなのですが、知人はそれに興奮していて、私はまだ一週間前なのでそれを知らない。その状況にイライラした知人が言うには、「何で今、読まないの? 時間の無駄でしょ?」。
それは確かにその通りで、毎週70ポイントを稼いで80ポイントを使っているのですが休載週の分、ポイントはプラスなのです。ですから山場の週ぐらいは120ポイントを使ったとしても私のポイント余力はびくともしません。
「わかった。今から読むから」と、その場で読むことにした最新エピソードは「うぉお」な内容でした。
■1分で10円稼ぐのは経済合理的な行動か?
ひとしきり最新エピソードの感想で盛り上がった後で、知人がぽつりと言いました。
「鈴木さん、1分間で10円稼ぐのは無駄じゃないですか?」
計算してみるとわかりますが年収600万円の人は概算で時給3000円、年収200万円の人は時給1000円で働いています。1分間の給料、つまり「分給」は計算するとそれぞれ50円ないしは17円となります。ですから1分間で10円稼ぐのは最低賃金よりも低い計算です。
「確かにその通りですね」とその場では流したのですが、なぜか翌週も私は一週間「禁ぐだむ」した上で、毎日ポイントがもらえる広告バナーをタップしつづけるのでした。
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「広告を見てもらえる10円」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)