【オリ熱イズム2024】FA移籍組・西川龍馬が大不調、復活の鍵は「6月」か
オリックス・バファローズの西川龍馬が本領発揮とは言えず苦戦中だが、ここからの巻き返しに期待がかかる。
昨年、広島東洋カープからFA宣言して、オリックス・バファローズに移籍した西川龍馬。リーグ四連覇を目指すチームにとっては、吉田正尚が米メジャーリーグのボストン・レッドソックスに移籍してから、チームのウィークポイントだった外野の一角を担う好走守と三拍子揃っている西川への期待は高い。またファンからも厚く支持されており、カッコいい応援歌も作られている。
■西川龍馬の本領発揮は…
球団は吉田が背負った「7」の背番号を、吉田の敦賀気比高等学校の後輩である西川に与えるという好待遇をしている。またどんな打順でも対応できるという面でも、西川は中嶋聡監督の中嶋野球と合致していると言えるだろう。
14日に開幕から15試合を終えて、パ・リーグ5球団との対戦を一巡した。西川は14日までで15試合にスタメン出場し、打率.230(61-13)、本塁打0、打点1、盗塁0と、昨年打率.305(416-127)、本塁打9、打点56、盗塁7となり、外野手でセ・リーグのベストナインに選ばれた実績から見ると、まだ本領発揮には遠い印象だ。
ちなみにチーム別の打率は、福岡ソフトバンクホークスは.273、埼玉西武ライオンズは.083、千葉ロッテマリーンズは.385、北海道日本ハムファイターズは.231、東北楽天ゴールデンイーグルスは.083となっており、ロッテとは好相性だったものの、西武と楽天には苦戦していた。得点圏打率は2割を切り、出塁率も3割までは少し離されている。
■パワーピッチャーにも通用
西川はオリックス入団時に、パ・リーグについて「自分のイメージでは、パワーピッチャーが多い」と語った。
また昨年から意識したというパ・リーグへの挑戦には「そのパワーピッチャーに対して、自分がこれまでやってきたことがどこまで通用するのかという思いで、パ・リーグに挑戦してみたくなりました」と話していたが、セ・リーグ広島時代の昨年はパ・リーグとの交流戦で打率.343、得点圏.400を記録しているだけに、パ・リーグの投手陣にこのまま苦戦し続けるとは考え難い。
チームの平均打率.220(16日現在)を考えても平均値よりは打っているだけに、西川が見せる技アリのヒットの数々を見る限り、パワーピッチャーが多いパ・リーグで西川が通用しないと決めつけるのは、まだ早いだろう。
■目標は「最多安打獲得」
昨年、独走体制で優勝まで突っ走ったオリックスだが、交流戦が絡む6月以降に強さを発揮していた。それだけに、西川にとっては久々の対戦となるセ・リーグ投手陣との交流戦での対戦をキッカケに、本来の力を後半に向けて巻き返していきたいところ。
西川は「毎年、何かしらかの怪我で離脱することが多いので、まずは怪我をしないことと、あとは打撃タイトルを獲りたい。最多安打辺りは狙いたいですね。まあ、率は上がり下がりするものなので。自分的には積み重ねていくほうがいいかなと思っているので、最多安打を獲れればいいかな」とコメント。怪我をせず1年間一軍で出場することと、最多安打獲得という明確な目標を持っていることから、カード2巡目以降は注目していきたい。
と書いた矢先、16日の楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)では5打数2安打と、一巡目では苦手だった楽天から2安打を放ち、打率を.227、対楽天の打率を.176と上げている。ここからは、ファンの不安を払拭するようなパフォーマンスに期待したい。
■執筆者プロフィール
どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。
音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。
横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレスやスターダム、RIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。
2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾のドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・どら増田)