「患者取り違え」で中絶手術により赤ちゃんを失った妊婦 重大ミスした病院に批判殺到
妊婦の同意なしに中絶手術が実施された。のちに病院側の「患者取り違え」が発覚し謝罪に追い込まれるも、批判が殺到した。
チェコ共和国で、患者の取り違えが発生。不要な中絶手術を受けた妊婦が赤ちゃんを失う事態になったことで、警察が動く事態に発展している。『Daily Mail』『New York Post』などが伝えた。
■定期健診で来院したはずが…
3月25日、チェコ共和国・プラハ在住の女性Aさんが、ある大学病院を訪れた。Aさんは妊娠4ヶ月で、この日は定期健診を受けに来たのだった。
ところがAさんはいつもとは違う部屋に案内され、ベッドに寝かされると麻酔をかけられた。意識が戻った時には掻爬手術を受けた後で、お腹の赤ちゃんは取り除かれていたという。
Aさんは何が起きたのわからず抗議したところ、病院側が患者を取り違えたことがわかった。
■妊婦の同意なく中絶手術実施
この日、掻爬手術を受ける予定だったのはBさんで、病院側がAさんをBさんと思い込み手術が実施されてしまったのだ。
執刀医をはじめ、麻酔科医、看護師なども「間違い」に気付かなかったという。現在、原因究明の院内調査が行われているため、病院側は詳細の説明を避けている。しかしAさん、Bさんともにアジア系の女性であるという事実は明かしている。
別の病院の医師はミスが起こった原因を、「風貌が似ているうえ、現地のチェコ語が話せなかったこともあって、『言葉の壁』により医療ミスが発生したと思う」などと、各社取材に話しているという。
■警察が捜査開始
その後、Aさんに対し病院から正式な謝罪があり、現在は賠償について話し合いが行われているそうだ。また警察も動く事態となっており、病院側に医療過誤の疑いがあるとみて、立件を視野に捜査を進めているという。
執刀医など本件に関与した同病院のスタッフは、全員が停職扱いとなっている。今後の捜査次第で最終処分が決まるとみられる。
■「アジア人軽視」と批判の声も
このニュースが報じられると、ネット上では「現地の言葉を話さない外国人の責任にするな」「問題は言葉ではなく、手術前の確認が一切ないこと」「許されないミス。アジア人を軽視した結果だと思う」などと、批判が殺到した。
一方で「言葉の通じない病院に通院すること自体が問題」「アジア人女性にありがち。何か変だと感じたら主張しなくちゃ。何も言わないのは同意と受け取られる」と、女性の行動を疑問視する声もある。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)