武装立てこもり事件で「ロボット犬」が大活躍 “負傷”しながらも容疑者を確保
凶器を持った男による一軒家への立てこもり事件に、ロボット犬が投入された。犯人の追跡や危険回避など、有効性が証明されたという。
アメリカ・マサチューセッツ州警察がロボット犬の投入により、同州ケープコッドで起きた武装立てこもり事件を解決。ロボット犬は3発の銃弾を受けたが警察官に怪我はなく、ロボット技術が危険な状況で有効であることを証明した。『AP通信』や『Denver7』などが伝えている。
■武装立てこもり事件発生
3月6日の正午、マサチューセッツ州・ケープコッドで、ある男がバリケードを張り地元警察に向けてライフル銃で数発の銃弾を発砲後、一軒家に立てこもるという事件が発生した。
バーンステーブル警察からSWAT(特殊部隊)チームの派遣要請を受けたマサチューセッツ州警察は、危険物処理用のロボット「PacBot 510」2台と、ロボット犬として知られる4足歩行のSPOTロボット「ロスコー」を投入した。
■危険任務でロボット犬が活躍
2種類のロボットは、一軒家の地下に潜伏していた容疑者の居場所を突き止める際にも、ひと役を買った。
遠隔操作されたロスコ―は、家の2階から地下室に移動し、武装した容疑者へ接近。一度は倒されたものの自立し、容疑者を追い続けた。
容疑者は3発の銃弾を発砲してロスコ―の動きを止め、その後にPacBot 510にも発砲するなどしたが、SWATに催涙ガスを投げ込まれると抵抗をやめ、自首したという。
■警察官の危険回避に有効
マサチューセッツ州警察は「ロボットの新技術のおかげで、(事件現場の)建物に入った警察官が撃たれる危険を最小限に抑えることができた」と、今回の作戦を高く評価している。
この事件でロボットを使用したことで、州警察とSWAT隊員は家のドアを開け、建物の間取りをいち早く知ることができるなど、メリットは大きかったようだ。
ロボット犬を開発しているボストン・ダイナミクス社は、銃撃された個体の弾丸を取り除いて損傷の分析を急いでいるが、今回の件を受けて、警察とのさらなる協力に興味を持っているという。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)