「幼稚園児にもエイズと性の知識を」と取り組むNY市 絵本教育に保護者はショック
アメリカでどんどん進むエイズ予防の性教育。幼稚園生も対象であることに、保護者からは戸惑いの声が…。
近年はインターネットを通じて、子供でも様々な情報が得られるようになった。性の早熟化が心配されているなか、ある都市の取り組みが賛否両論を巻き起こしている。アメリカの『NEW YORK POST』や『DAILY CALLER』などが報じた。
■背景にはHIV感染者の増加が
このたび、幼稚園から高校生までを意味する「K-12」という広い年齢を対象に、エイズ(AIDS/後天性免疫不全症候群)を指導することにしたアメリカのニューヨーク市。その是非について、保護者らの間で物議を醸している。
性の多様性やHIV感染者の増加を受け、昨年9月の教育カリキュラムの改訂により、正規のカリキュラムにエイズの指導を導入。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)からも、助成金が支払われている。
これにより市内の学校では、小学校4年生以下の子供たちもエイズについての知識や治療法、そして必然的に性行為や薬物、タトゥーといった感染経路のことも勉強するという。
■衝撃的な絵本のタイトル
ところがK-12を対象にしたため、公立幼稚園に通う4~5歳の子供たちも、その性教育の授業を受けることに。
そして先日、一部の園児たちに『These are My Eyes, This is My Nose, This is My Vulva, These are My Toes(これは私の目、これは私の鼻、これは私の女性器、これは私の足です)』というタイトルの絵本が配布された。
その内容は、エイズを引き起こす可能性のあるヒト免疫不全ウイルスについて学ぶものとなっている。
■性の多様性への理解も
絵本には「ある女の子はドレスを着ますが、ある子は着たがりません。ある女の子は女性器を持っていますが、ある子は持っていません」といった文章が含まれている。
さらに「ある男の子は男性器を持っていますが、全員ではありません。相手へのマナーとして、最初に『なんと呼んだらいいですか?』と聞くようにしましょう」などとも書かれている。
続けて「この子は、女の子でも男の子でもありません。だから彼女や彼でもないのです。そういう場合は『彼ら』という言葉を使ってください」と、性の多様性への理解を促した。
■保護者からは賛否両論
これに保護者たちからは、「学校で教えてくれるのはありがたい」といった声がある一方、「幼い子供に不適切」「まだ早い」「それぞれの家庭に任せるべき」という声もある。
また、性教育を行う旨の通知が園から届いたばかりだという保護者は、メディアの取材に「希望者制ではなく強制だなんて」「幼稚園でそんな教育を行っていたら、小学校では何を教わるのか」と不満そうに答えている。
様々な意見が噴出しているこの一件、将来的に「あの教育が奏功した」と評価される時が来ることが望まれる。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)