『箪笥』をなんと読む? 古くは「担子」と書かれ天秤棒にかけて運ぶ荷物を指したという
独特の数え方は、持ち運ぶ際に使った道具からきているという。
いまとなっては、どの家庭にも必ずあると言っても過言ではないだろう「箪笥」だが、世に出始めの頃は上流階級の人だけが持つことができた高級品だったという。
■「箪笥」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10~60代の男女800名を対象に「箪笥」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で93.1%の人が「たんす」、6.9%の人が「たわし」と読むと回答した。
「たんす」と読む人は男性が92.9%で女性が93.3%。「たわし」と読む人は男性が7.1%で女性は6.7%という結果に。
■正しくは「たんす」
「箪笥」は「たんす」と読む。誰もが知る、衣類や道具を収納する引き出し式の家具のことだ。古くは「担子」と書かれており、道具を入れて持ち運べる箱を指していたという。
担子は中国からきた言葉で、天秤棒にかけて運ぶ荷物を指していた。次第に小型だった箱が大型化し、さらには引き出しもつけられるようになり、現在のような収納家具を指すようになったという。その過程で漢字表記も「箪笥」へと変わっていったようだ。
■庶民が使いだしたのは江戸末期
日本に箪笥が登場したのは、江戸時代の寛文年間 (1661~1673年)だと言われている。しかし、引き出しなどの細かい部分の製作に手間も材料もかかり非常に高価な品物であったため、庶民に行き渡るのは江戸末期になってからだったようだ。
ちなみに、箪笥を一棹(ひとさお)、二棹(ふたさお)と数えるのは、昔の和箪笥が棹を通して持ち運べるようになっていたことに由来するという。
■「たわし」の漢字は「束子」
「たわし」は「束子」と書く。語源には諸説ある。昔は藁(わら)を束ねただけの簡単な道具で「手藁(てわら)」と呼ばれていたものが、徐々に「てわら」「たわら」「たわし」と変化したというのが一説。
もう1つの説が、「藁を束ねたもの」を表す「束子(たばし)」が「たはし」「たわし」と変化したというものだ。いずれにしても、昔は藁を束ねて使っていたものが、いまではさまざまな材質で作られるようになり、元の形から変化していきながらも広く使われ続けていることに、そこはかとなく愛着を感じてしまう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女800名 (有効回答数)