パーティで「ヘビ毒」提供した動画配信者が逮捕 娯楽目的のドラッグとして使用か
パーティを主催したYouTuberの男。持ち込んだヘビから抽出した毒を参加者に振る舞い、逮捕された。
■振る舞われた「ヘビ毒」ドラッグ
2023年11月2日、インド・ウッタルプラデーシュ州在住のYouTuberの男A(26)が、野外パーティを自主開催した。Aは、リアリティ番組に出演したこともある人気動画配信者だった。
この日開かれたのは若者向けのダンスパーティだったが、メイン会場では「ヘビ毒サンプル」なるものが振る舞われていた。実際に参加した人の中には、これを摂取してハイになっている人もいたという。
■動物愛護団体職員が通報
ヘビ毒をパーティドラッグとして使用するのは珍しい例だが、薬物乱用が問題となっているインドでは、新たなドラッグを求めてヘビ毒を試す若者がいるのだという。
本パーティを警察に通報したのは動物愛護団体の男性職員で、Aが配信する毒ヘビ動画を見て違法性を感じ、事前に警察に相談していた。またヘビ毒を提供する薬物パーティの存在をつきとめ、Aに直接連絡を取ってパーティに潜入していたのだった。
■関係者らが自供
通報を受けた警察官らがパーティのメイン会場に踏み込んだところ、「ヘビ毒サンプル」を提供していたとみられるAの関係者5人を発見。Aの姿はなかったが、コブラなどヘビ9匹に加え、毒液とみられる液体が見つかった。
鑑識の結果、この液体からは、コブラ種およびアマガサヘビ種の持つ毒成分が検出されている。
逮捕された5人はいずれも容疑を認めて、「パーティでヘビ毒を提供しました。主催したのはAです」「ヘビ動画の配信も一緒にやりました」などと自供しているそうだ。
■主犯の男が逮捕
警察がAの居所を突き止めると、Aは「パーティには関与していない。すべてウソだ」「名誉棄損で訴える」と話して、容疑を全面的に否認した。
事件発生から約4ヶ月後の今年3月17日、ようやく証拠を揃えた警察は、毒ヘビを不当に扱い、野生生物保護法に違反した疑いでAを逮捕した。この時もAは容疑を否認したが、最終的には認めて自供を始めているそうだ。
また警察は、Aがヘビ毒の違法売買にも関与しているとみて、さらなる調べを進めているという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)