花粉症と風邪、判断に迷いがちだが… 「目に症状」医師が教える方法でバッチリ解決
この時期、「花粉症と風邪の違いが分からない」という声があがる。医師に聞いたところ、「見分け方」があって…。
19日から24日にかけて、関東や東海地方を中心にスギ花粉の飛散が多くなることが予想される。この時期、花粉症の人はくしゃみや鼻水、目のかゆみ等に悩まされる。風邪と似た症状もあり、判別しにくい。
花粉症と風邪の違いはどんなところにあるのか──。
【関連記事】ネットで話題の「小指に湿布すると花粉症に効く」裏ワザを再検証 その結果は…
■花粉症の記者を襲った鼻水
2月下旬の朝、仕事をしていた記者は突然、猛烈なくしゃみと鼻水に襲われた。記者は幼少期から花粉症を患っている。Xを見ると、同様の症状を訴える人の声が多数見受けられたため、花粉が本格的に飛び始めたのだと考えた。
花粉シーズンに常用しているアレルギー用の薬を飲んで仕事を再開したが、一向に症状は改善されない。夕方になると、喉の痛みや咳も加わり、だるさも感じた。
おかしいと思って体温を測ったところ、なんと数値は37.8℃。ようやく花粉ではなく、風邪だったことに気付いたのだ。
■「花粉と風邪の違いは?」悩む人続出
鼻水やくしゃみ、人によっては喉の痛みなど、花粉症・風邪いずれも当てはまる症状があり、自分がいまどちらなのか判断に悩んでしまう。
ネット上でも、「花粉症と風邪間違えて、いつも困ってる」「花粉症と風邪の違いを簡単に知ることができたらいいのにと思う」「この時期は判断に悩む」「花粉症の重い症状のような…風邪との違いが分かりません」など、頭を悩ませる人の声が多数あがっている。
花粉症と風邪はどのように見分けたらいいのだろうか。静岡で呼吸器内科・アレルギー科をメインに開業している草ヶ谷医院の草ヶ谷英樹院長に話を聞いた。
■「目に症状が…」医師が指摘する違い
草ヶ谷院長によれば、「どの症状が強いか」に着目することが大切だという。
草ヶ谷院長は、「風邪症候群であれば、発熱や倦怠感、喉の痛みなどが症状のメインであり、概ね数日で症状がピークを超え、1週間程度で改善します。一方、花粉症は鼻や目、顔面周囲の諸症状は辛いものの全身の健康は保たれていることが多いのが特徴です。また、花粉症は花粉が飛んでいる間は続き、さらさらとした水っぽい鼻水が流れることなどが風邪と異なります」と説明する。
特に、目がかゆいか否かは、判別する大きなポイントになりそうだ。草ヶ谷院長からは、「花粉症では目の症状や皮膚のかゆみといった症状を伴うことが多いですが、風邪症候群では、そうした症状が強く出ることは少ないです。他にも、花粉症の場合、喉や顔や首がかゆい、なんとなくムズムズする、喉の奥が息苦しい感じといった症状も見られることがあります」という回答が寄せられている。
冒頭の記者のケースを振り返ると、毎年花粉シーズンに目を掻きむしりたくなるほど強い目のかゆみに見舞われていたが、今回そうした症状はなかった。
■風邪薬は花粉症に効果ある?
花粉症か風邪か判断できない時、どの薬を飲めばいいか迷ってしまうもの。市販の風邪薬は花粉症に効くのだろうか。
こちらの疑問に関し、草ヶ谷院長は「風邪薬の中には痛み止めの成分や、花粉症の薬として用いられる『抗ヒスタミン薬』が含まれている場合があります。そのため、風邪薬で鼻水や喉のイガイガ感などは,少し治まることが期待できます」「しかし、花粉症に対してはその効果がしっかりと確立されている内服薬や点鼻薬、点眼薬があります。使用するのであればそちらを優先することをオススメします」と説明する。
春先は季節の変わり目で風邪を引くことも多い。今回紹介した方法でも花粉か、風邪か区別が付かない時は、むやみに薬を飲まず、医師に相談するのが賢明かもしれない。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
現在は、『不適切にもほどがある!』(TBS系)の展開を注視する日々。
・合わせて読みたい→「季節性の鼻炎」と言い張る人も… 3割以上の人が“絶対に認めたくない”症状
(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/草ヶ谷医院・草ヶ谷英樹院長)