『ドラゴンボール』作者・鳥山明さんは描き続けたくなかった? 連載中の知られざる“苦悩”とは…
評論家・岡田斗司夫氏が、鳥山明さんの訃報に言及。世界的に大ヒットした『ドラゴンボール』だったが、連載中の知られざる苦悩と本人が語ったという「救われた話」も明かされた。
プロデューサーで評論家の岡田斗司夫氏が10日、自身のYouTubeチャンネルでライブ配信を実施。今月8日に訃報が伝えられた漫画家・鳥山明さんについて言及した。
■「生き返ってほしい」に納得できず
大ヒット作『ドラゴンボール』などで知られる鳥山さんの訃報に、SNSでは悲しみの声があふれ、尾田栄一郎氏ら漫画家仲間や、中川翔子ら芸能界からも追悼の声が寄せられた。
ドラゴンボールを7つ集めると願いごとを叶えてくれる「神龍」を引き合いに、「神龍の力で鳥山先生を生き返らせてほしい」といった声もみられたが、岡田氏は、「ネット見てると、『生き返ってほしい』というのがあって。生き返ってほしいというのは、どうも僕には納得できなくて」と話す。
■『ドラゴンボール』連載中の苦悩
その理由について、「ご本人が、もっともっと漫画を描きたかったというタイプじゃない。自分では『ものぐさ』っておっしゃってたんですけど、遊ぶのが好きで。漫画を描くのも好きだったんですけど、『ドラゴンボール』の後半から、絵を描くと気持ちが悪くなって吐き気がするという状態になっちゃった」と、鳥山さんが苦悩していたことに言及。
続けて、「(鳥山さんが)『Macで絵を描くようになって救われた』っていう話をしているんですね。実際にペンで線を描くのが本当に嫌になったときに、『Macで無責任に線を引いていると、また楽しくなってちょっと描けるようになってきた』っておっしゃってたんです」と振り返る。
■「ホッとしているところも絶対あると思う」
そのため、「描くの大好き、働くの大好きというよりは、遊び好きの方だったので、残された僕らが『もっと作品を見たかった』とか言うのは、成仏する邪魔になるんじゃないのかなって僕は思っちゃう。本人がホッとしているところも絶対あると思う。十分に面白いものを描いてくれたし、働いてくれたから、『安らかに眠ってください』でもう十分だと思うんですけどね」と語った。
また、作品の大ヒットで多忙となった鳥山さんには、プロ級の腕前だったという趣味のプラモデルに没頭する時間もなかったことに触れ、「適当に売れてて、適当にサボれる人生が、たぶん本人は一番楽しかったんじゃないかなと思っちゃう」と思いを馳せていた。
■「ご苦労様という思い」「もっと余生を楽しんでほしかった」の声
岡田氏の話に、コメント欄ではファンから「漫画にゲームに休む暇も無かったと思う。自分もやっと解放されて本当にご苦労様でしたという思いですね」「鳥山先生が仕事人間じゃなくて、できれば遊んでいたい人だというのも個人的には好ましく思いました」「もっと余生を楽しんでほしかったと思いました」といった声が寄せられた。
さらに、「鳥山先生には遊んでていいから長生きしてほしかったです」「近年の本人は楽しそうに仕事をされていたようにお見受けしました。週刊連載の苦痛から解放されて話を考えるのが好きになっていったんでしょうね」との意見もみられた。