『土瀝青』をなんと読む? 「燃える土」として古くは天智天皇に献上されたという
道路工事などでよく見かけるように感じるが、その通り、その用途の大部分が舗装用だという。
■「土瀝青」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女800名を対象に「土瀝青」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で77.0%の人が「アスファルト」、23.0%の人が「コンクリート」と読むと回した。
「アスファルト」と読む人は男性が78.5%で女性が75.6%。「コンクリート」と読む人は、男性が21.5%、女性は24.4%という結果に。
■正しくは「アスファルト」
「土瀝青」は「アスファルト」または「どれきせい」と呼ばれ、原油に含まれている最も重い炭化水素類を指す。黒色か暗褐色の物質で、通常は半固体もしくは粘性の液状だが、加熱すればすぐに融解するという特徴をもつ。
この低温では固体、高温では液体になるという性質を活かして道路舗装用の骨材の接着剤として用いられることが多く、舗装用として使われているアスファルトが最も衆目に触れているのではないだろうか。
ほかにも、油分でできている特長を活かして燃料や原料、防水材、防腐剤、熱可塑材、電気絶縁材、断熱材、高真空用シーリング材、衝撃吸収材、潤滑剤、顔料として利用されている。
■「燃える土」として天智天皇に献上された
一方、天然のアスファルトも存在する。『日本書紀』の中に天智天皇の即位式に「燃える土」が献上されたという記録があるそうだが、これは恐らく天然アスファルトのことだろうと考えられている。
日本では秋田県潟上市にある豊川油田が非常に貴重な天然アスファルトの産地であった。アスファルトは1923年まで生産されていたという。その後2001年までは原油の生産を行っており、現在はガス田として天然ガスが生産されている。
この豊川油田のアスファルトは縄文時代早期から土器や矢じりの接着剤として利用されていたという。豊川産の天然アスファルトを使用した道具は東北各地から出土しているそうだ。
■「コンクリート」の漢字は「混凝土」
コンクリートは「混凝土」と書く。「混ぜて凝固させた土」という表記が示す通り、異種の材料である砂、砂利、水などをセメントで固めた物を指す。
「コンクリート」という名称は、英語の「concrete」をカタカナ表記にしたもので、ラテン語のconcretusに由来しているという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女800名 (有効回答数)