放送禁止用語連発のヨウム8羽がリハビリ開始 動物園担当者は「罵り言葉以外の習得を」
イギリスのリンカンシャー野生動物公園が、クチの悪いヨウム8羽のリハビリを開始することを発表。暴言を吐かない他の92羽の群れに合流させるという。
言語習得が得意で、知能が高いことでも知られる「ヨウム」だが、その賢さゆえに人間を困らせることもあるようだ。奇想天外なエピソードを『NEW YORK POST』や『CNN』などが報じた。
■暴言連発のヨウムにリハビリ
オウム目インコ科のチョウ類であり大型インコとされる「ヨウム」は、ペットとしても人気が高い。社交性が高いことから自然界ではおよそ1,000羽もの群れを作り、あらゆるさえずり声でコミュニケーションを取る。その知能レベルは霊長類やクジラ、イルカにほぼ匹敵するとも言われている。
しかし1月23日、イギリス・イングランド東部にあるリンカンシャー野生動物公園が、「罵り言葉を乱用するヨウム集団のリハビリを開始する」と発表。既存の方針を見直し、ヨウムたちの言葉遣いを直すため、暴言を吐かないヨウムの群れと合流させるという。
治療の対象になっているのは、全100羽いるうち群れから隔離されていた5羽と、新たに加わった「エリック」「キャプテン」「シーラ」を含む計8羽だ。
■「放送禁止用語」だらけ
そもそも隔離されていた5羽は、同園の来園者や職員に対して暴言を放っていたことで、2020年に一般公開が中止になっていた。このような対応に至った背景について、園は「子供たちへの悪影響を防ぐため」と説明していたという。
CEOであるスティーブ・ニコルズさんは、このたび8羽をキャリーボックスに入れて移動させる際に、「聞こえてきた言葉は本当に衝撃的で、Fワード(Fで始まる罵り言葉)はもちろん、放送禁止レベルだった」と話す。
同園では来園者には看板で「ヨウムの言動に注意するように」と呼びかけているが、苦情が来たことは一度もないという。むしろ「来園者がヨウムに汚い言葉を浴びせる機会が多かったからこそ、ヨウムは下品なワードを覚えてしまったのです」と、事の発端は来園者側にあったと説明している。
■リハビリの成果に期待
スティーブさんは今回の計画について、「8羽を群れに戻すことで、電子レンジや車のバック音といった罵り言葉以外を習得してくれるのではないか」と期待を寄せる。
また「今はドアの開閉時の音、人の笑い声やスマートフォンの操作音など、あらゆる音を聞かせており、新しいサウンドや言語を学ぶことが、ヨウムたちのリハビリにつながれば」とも話した。
しかしこのアプローチが失敗した場合、他の92羽に悪影響を及ぼす可能性もあるという。
■新たな試みに懸念の声も
このトピックに関してユーザーたちは、「(ヨウムたちは)ロックだね! くれぐれも“devil music”を聞かせないように」「放っておいてあげて。好きにさせてあげればいいのに」「ぜひ一度、(動物公園に)訪れてみたい」という肯定的な意見が書き込まれた。
一方で、「そもそも、誰が最初にヨウムに向かって暴言を吐いたの?」という疑問や、「他のヨウムたちも痛罵するようになるのでは」「(100羽すべてが罵倒し合うようになれば)子供は入園できなくなるね」といった園の計画を不安視するコメントもある。
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(取材・文/Sirabee 編集部・田中サワ)