10代息子が母親を「殺す」と脅し保護観察処分に 家庭内暴力の激化が止まらず
大事な試験があるから「起こしてほしい」、カウンセリングの日も「起こしてほしい」と人に頼ってばかりだった息子。寝坊すると腹を立て、母親を痛めつけた。
息子からのひどい家庭内暴力に、長いあいだ耐えていた母親。その息子にこのほど保護観察処分が下されたことを、『AsiaOne』など海外メディアが伝えている。
■キレる10代の息子
シンガポールで暮らす少年(17)は以前から怒りのコントロールが苦手で、腹を立てると暴れていた。しかし相手は選んでいたらしく、被害を受けるのは母親ただひとりだったという。
両親はそんな息子を心配し、カウンセリングを手配。精神的な疾患がないか専門家に診てもらったところ、不安障害を抱えていると診断された。
■母親に激怒しパンチも
しばらくはカウンセリングにも通っていたが、2021年12月に中断。その後は大事な試験に向けて勉強に励み、2022年10月のある日も朝5時まで試験勉強に取り組んだ。
ただそのせいで起きることができず、気づくとすでに午前10時。英語の試験を受けるはずだった息子は起こしてくれなかった母親に腹を立て、パンチを何発も浴びせて痛めつけた。
さすがにショックを受けた母親は息子の心の闇を心配し、再びカウンセリングを受けさせることにしたという。
■終わらなかった暴力
同年11月には親子でカウンセリングを受ける予定があったが、息子はなかなか目を覚まさない。そこで15分おきにアラームが鳴るよう設定すると、息子は目覚まし時計を叩き壊してしまった。
母親は仕方なくひとりでカウンセリングを受けて帰宅したが、息子はまたしても「なぜ起こしてくれなかったんだ」と騒ぎ、母親の胸、顔、頭などを執拗に殴りつけて重傷を負わせた。
それでも母親は息子を心配し、通報はせずに家庭内で解決できるよう願っていたが、実現することはなかった。
■ついに通報した母親
数週間後、母親は息子の寝室に行き、進学先について話し合うことに。だが息子は質問にうまく答えられない母親に激怒し、硬い板紙の表紙で綴じられた成績表で頭を叩き、顔面を殴りつけた。
耐えきれなくなった母親は自分の寝室に逃げ込み、ようやく通報。しかし息子はドアをこじ開けて母親を台所に引きずって行き、「刺し殺す」と脅すなどして逮捕された。
息子は2023年6月に罪を認め、このほど2年の保護観察処分と100時間の地域奉仕などを命じられている。
父親は息子の暴力を何度も目撃していたが、止めようとすることはなかったようだ。息子は現在、母親と離れた場所で生活しているが、母親がどこで誰と暮らしているのかなど詳細は伏せられている。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)