的中率78%で「死期」を予測できるAIが開発 専門家は大企業の使用に懸念

デンマークとアメリカの研究チームが、死期を予想できるAIを開発。高い予測精度で死亡時期を当てたという。

AI・PC・テクノロジー

国際的な研究者たちが、驚くほどの精度で「人間の死期」を予測できるAIシステムを開発した。『Oddity central』や『Dailymai』が報じている。


関連記事:人工知能研究の世界的権威が自信を持って提唱 「AIにより2030年までに不死を達成」

■人の死亡時期を的中

デンマークとアメリカの研究チームが開発した「Life2vec」は、人の将来の出来事を予測するAIシステムだ。

同システムは、デンマーク国民の健康記録と600万人分の人口統計学的記録から、出生時刻、学歴、給与、住居、健康状態などのデータを学習。次に何が起こるかを予測するよう訓練され、分析に基づいて人々の死期を予測する能力を示すことにも成功したという。

例えば35歳から65歳の人々を対象にテストしたところ、半数が2016年から2020年の間に死亡し、予測の精度は78%と極めて高いものだった。

関連記事:死者と会話できる人工知能サービス 高額な「バーチャル人間」に賛否両論の声

■大企業の利用に懸念

研究チームを率いるデンマーク工科大学のリーマン・ヨルゲンセン教授は、「Life2vec」について「デンマーク人のデータのみを用いて学習されたものであるため、他の国の人々にとっては全く同じ結果にはならないかもしれない」と、その精度は限定的としている。

その一方で、「このようなAIシステムは企業の手に渡るべきではない」とも強調している。

保険業界を例に挙げ「不運な出来事に見舞われたり、今後死亡するのが誰なのかを企業が共有することで、負担を軽減できるようになり、保険の目的や考え方として正しくない」とした。

関連記事:AIロボットのCEO誕生に危機感を抱く人々 「今後もますます仕事が奪われていく」

■テック企業も開発

今のところ「Life2vec」は一般利用できないが、研究チームは「膨大な量のデータを持つ大手ハイテク企業が、似たようなAIシステムをすでに開発し、使用しているだろう」と予想している。

人間の余命を驚くほど正確に推定できるAIモデルの使用には、倫理的な議論もあるが、否定できない利点もある。

研究チームは「寿命を予測した後に、人々の命に影響を与える潜在的な原因を発見し、個別に解決できるかもしれない」と予防研究の可能性についても語っている。

・合わせて読みたい→人工知能研究の世界的権威が自信を持って提唱 「AIにより2030年までに不死を達成」

(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド

生成AI時代の「超」仕事術大全【Amzonでチェック】