フローズンドリンクを飲んだ4歳児が意識不明に 含有成分「グリセロール」が原因か
4歳児がフローズンドリンクを飲んだ後、意識不明になった。過去にも同じ事例が発生しており、母親らは危険性を訴えている。
普段、何気なく口にしているものでも、飲食後に体調に異変をきたすことがある。あるドリンクを飲んだ男児は意識不明となり、かなり危険な状態に陥っていたことがわかった。アメリカの『NEW YORK POST』や『Kidspot』が報じている。
■フローズンドリンクを飲んだ男児
イギリス・ウォリックシャーに暮らすアルビーくん(4)は、昨年10月13日、幼稚園の帰りに母親のベスさん(24)や友人たちと一緒にボウリング場を訪れた。
ボウリングをしながらストロベリー味のフローズンドリンクを飲んでいたといい、ベスさんは「以前からたまに飲んでいたし、頑張ったご褒美にと買ってあげた」と話している。
それを飲み干したアルビーくんは帰りの車の中でぐったりしていたが、「はしゃいで疲れたのかな」とあまり気に留めなかったそうだ。
■幻覚を見た後で意識不明に
ところが突然、アルビーくんは「ノー!」「ひとりにして!」などと辻褄の合わないことを叫び、続いて再びぐったりとした。
「興奮して夢でも見ているのか」と考えたベスさんだったが、さらに幻覚を見たかのように顔を搔きむしりながら拒絶し、意識を失ったアルビーくんに驚き、すぐに病院へ連れて行ったという。
アルビーくんは看護師らの問いかけには反応がなく、呼吸もしていなかったため人工呼吸が始まった。
■原因はドリンクに含まれる成分
ベスさんは医師から「脈が非常に遅く、血糖値は危険なほど低い。何か薬物を摂取させましたか?」と、疑われてしまったという。
3日後にアルビーくんはようやく意識を取り戻し、検査の結果も判明。原因は、フローズンドリンクに含まれる成分「グリセロール」だと分かった。
グリセロールはドリンクが固まるのを防ぎ、滑らかな食感を維持するために使用されている。成人が少量摂取する場合は安全だが、小さな子供にとっては非常に危険なことがあるという。
■母親は政府に対策を訴え
ベスさんは、そのドリンクが娯楽施設やショッピングモールなど、さまざまな施設や店で子供向けに販売されているが、グリセロールの危険性を知る人は少ないことも知った。
「病院に行かず、自宅に帰っていたらと思うと、とても恐ろしくてショックです」と語るベスさんは、日頃からわが子が口にする食品の成分には気をつけていたそうだ。
またベスさんはイギリス政府に対しても、「他の子にも起きる可能性もあります。再発防止のため、年齢制限を設けるか販売を禁止にするか、何らかの対策を」と訴えている。
■同じ事例は過去にも
FSA(英国食品基準庁)によると、「18歳以下の子供が短時間でグリセロールを摂取した場合、ショック症状や低血糖、意識障害を引き起こす可能性がある」としており、重症例は少なくても頭痛などは起きやすいという。
過去にもスコットランドに住む3歳のアンガスくんが、フローズンドリンクを口にしたわずか30分後に発作を起こし、意識不明になる事例が発生していた。病院で約2時間後に意識を取り戻したが、母親のヴィクトリアさんもやはりグリセロールの危険性を訴えている。
・合わせて読みたい→スーパー店員に「駐車場で授乳は不適切」と注意され… 産後うつの女性が涙止まらず
(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)