腐敗した娘の遺体と対面した両親が愕然 粗末に扱った葬儀会社を訴える
生後まもなく娘を亡くし、悲しみに暮れていた両親。最後の別れで棺を開けると、そこには変わり果てた娘の姿があった。
アメリカで、遺体を適切に扱わなかった葬儀会社に対し、両親が損害賠償を求める訴訟を提起した。『Seacoast Online』『Bangor Daily News』などが伝えている。
■生後6週の娘が死亡
2023年1月初旬、メイン州在住の女性が娘を出産。ところが約6週間後、その娘を亡くすという不幸に見舞われた。死因は明かされていないが、「予期せぬ死」だったという。
娘の死後まもなく、遺体は病院から葬儀会社に引き渡された。葬式が同年2月18日に決まったため、約5日間にわたって葬儀会社が遺体を保管する形になったそうだ。
■変わり果てた娘に愕然
葬式の前日、最後の別れをしようと両親が葬儀会社を訪れた。そして棺を開けたところ、そこには変わり果てた娘の姿があったという。
遺体は腐敗が進行しており、変色して膨れ上がっていたため、もはや誰なのかも判別不能だったのだ。両親によると、「グロテスクで(娘に)似ても似つかない」状態だったそうだ。
翌日の葬式は最後に娘に会ってもらおうと、親戚や友人などに声をかけ、教会で大々的に行う段取りで進めていた。しかしこのような状態では、棺を開けること自体を中止にせざるを得なくなってしまい、両親は大幅な内容の変更を強いられた。
■賠償求め葬儀会社を訴え
両親は葬式が終わった後も葬儀会社と話し合いを続けていたようだが、納得いく回答が得られなかった。最近になって葬儀会社に対し、慰謝料などを含む損害賠償を求める訴状をヨーク郡上級裁判所に提出している。
訴状では、同葬儀会社が遺体を適切に扱わなかった契約違反があったうえ、そうした過失により精神的苦痛を受けたと主張している。
具体的には、同社の従業員らが遺体に腐敗の兆候があるのを知りながら、両親が気付くまで何もしなかったと訴えた。他にも同社は遺体のエンバーミングをはじめ、保管、火葬などを適切に行うための技能が不足している点を挙げている。
■葬儀会社の対応を批判
両親の代理人弁護士は、「葬儀会社は非難されるべきです。我が子を失い悲しみのどん底にいる両親に追い打ちをかけました」「葬儀会社が責任をもって職務を遂行する場合、高い基準が求められるのです」などと、各社取材に答えている。
なお、アメリカのメディアが葬儀会社に取材を依頼するも、現時点で回答はない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)