政党の人格イメージ調査 いちばん「まじめ」「セクシー」「カラオケが得意」そうな政党はどこ?
『スージー鈴木のニッポンの民意』第14回は、政治がテーマ。いわゆる世論調査は世に溢れていますので、今回は「政党を人に例えたらどんな人?」という、ちょっと変わった調査を実施。結果はいかに。有権者必見。
「政党がもし人だったとしたら、どんな性格か」を調査してみました。昨年2月の「プロ野球12球団を擬人化 一番まじめ/おしゃれ/自由な人格の球団はどこ? 」の政党版です。
トンデモ質問のように思われるかもですが、昨年2月にも書きましたように、マーケティング業界ではよく「ブランド・パーソナリティ」という言葉が使われます。当該ブランドの現状や未来のあるべき姿を、人の性格(パーソナリティ)になぞらえて規定するという手法は、しばしば使われるものなのです。
呈示する政党は、NHKの世論調査(政党支持率)に合わせて、自民党/立憲民主党/日本維新の会/公明党/共産党/国民民主党/れいわ新選組/社民党/みんなでつくる党/参政党の10政党にしました。
具体的な質問文は「もし以下の政党が実在の人間だったとすると、それぞれどのような性格だと思われますか? それぞれの党ごとに、あてはまる性格イメージをいくつでもお選びください」。
そして「ご存じない政党についても、政党名から想像してお答えください」と付記しました。「当てずっぽうじゃないか」というツッコミも来そうですが、実際の選挙では、政治や政党に詳しくない人が、投票の直前に見たポスターから、政党名からの(性格)イメージを手がかりに投票することは少なくないと思うので、今回の結果も、十分に意味があるものだと考えています。
ではまず結果の全容です。表左に並べた性格イメージ項目は後半、ちょっと遊び半分な項目になってしまいました。
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■10政党の性格イメージ
数表に情報量が多いので、見やすくなるよう、ちょっとだけ工夫しました。一言で言えば、全体の中で、特化して高い/低い箇所の視認性を高めるという工夫です。
・ まず「10党平均」の列を作ります(表の左側)。それぞれの項目についての10党の単純な平均値。
・ 次に、それぞれの政党で、「10党平均」と比較して、高いところ(+10ポイント以上高い)にオレンジ色、やや高い(+5~10ポイント高い)ところにクリーム色を付けます。
・ 同様に、「10党平均」と比較して、やや低い(-5ポイント以上低い)ところの数字を太字斜体に。
以下、似た結果となった政党をまとめながら、表から抜き出していきます。まずは最大政党の自民党をピンで。「頭がいい、特にちょっと算数が得意、ビール好き。あまり若々しくなく、ユーモアにも乏しい人」という感じ。
■自民党「頭がよくてビール好き」、社民党「まじめ」な印象?
次は野党系です。一言で言えば「ちょっとまじめな人」という感じで、それ以外の特徴が見いだしにくい。ちなみに、そのまじめ度でいえば社民党がいちばん高くなっています。あと共産党の「鉄オタ」が極端に高いのが特筆されます。
続いて、比較的新しめの政党をまとめると、新しさからの連想か「若々しく、ユーモアのある人」というイメージが跳ね上がります。その反動で「まじめな」は少し低くなります。
■新しめの政党はイメージそのまま
それにしても日本維新の会とれいわ新選組が似ています(政策は異なるイメージですが)。特化して高くなっている「若々しさ」「ユーモア」は同水準。さらに「スポーツが得意」もほぼ同水準で、かなり近い性格イメージといえましょう。
ちなみに後半のちょっと遊び半分な項目で1位(かつ5%以上)となった政党は以下。
・ 「スポーツが得意」:日本維新の会(14.3%)
・「算数が得意」:自民党(18.0)
・ 「料理が得意」:社民党(9.4)
・「カラオケが得意」れいわ新選組(13.9)
・「ビールが好き」:自民党(38.4)
・ 「スマホの文字入力が早い」:みんなでつくる党(9.2)
・ 「鉄オタ(鉄道オタク)」:共産党(24.2)
■政党性格イメージの実態
以上が、例えば投票の直前に見たポスターで投票先を決める人々も含めた、政党性格イメージの総体にして実態なのです。どうでしょうか。政治や政党に詳しい人が抱くそれと、激しい乖離があると思いませんか?
最後に。じつは追加質問を聴いたのです――「では次にあなたの「理想の政党」を思い浮かべてください。もちろん架空の政党でも構いません。その政党が実在の人間だったとすると、どのような性格だと思われますか?」