暖を求めた1匹のアライグマが発電所に侵入? 都市部で2時間にわたる停電発生
カナダの都市で、2時間にわたる停電が発生した。アライグマが発電所に侵入し、変圧器に触れたことが原因と考えられている。
■発電所にアライグマの死骸
2月1日の夜遅く、オンタリオ州トロント市のダウンタウンエリアで停電が発生した。凍えるような真冬の夜間に、約7,000人の市民が2時間以上にわたり、電気のない生活を強いられたという。
原因を調査するべく、電力会社ハイドロ・ワンのスタッフがチャーチ・ウェルズリーにある発電所に向かうと、感電して死んでいる1匹のアライグマを発見。その後、停電の原因を「アライグマが変圧器に接触したことによるもの」と発表した。
■発電所の熱を求める動物たち
同社の広報担当であるティツィアナ・バッチェガ・ローザさんは声明のなかで、発電所から発せられる温かい熱を求め、リスやアライグマ、鳥たちがたびたび近付いてくることを明かしている。
さらに「動物の命が犠牲になる停電はこれまでにも複数回起こっており、我が社はこの事態を非常に深刻に受け止めています」と説明。再発を防ぐため、あらゆる対策を検討するとのことだが、自然豊かな土地柄ゆえ、いたちごっこになると予想されている。
■混乱の市民
市内在住のモニカ・ポウルさんは、「ちょうど幼い子供たちにご飯をあげていたので、とても困りました」「電気や水もなく、数時間、何もできませんでした」ととメディアに明かしている。
また学校の体育館でドッジボールを行っていたトレバー・マクグラスさんは、「途中で試合を中断し、退場しなければならなかった」と話すなど、市民の生活に混乱を与えたようだ。
■電柱の巣が落ちないための工夫も
停電により市内の信号機も消え、電車やエレベーターに閉じ込められた人々を救出するため緊急車両が出動するなど、大変な事態となった。
そんななかハイドロ・ワンは「動物保護も怠ってはならない」と考えており、電柱の上に作られた鳥類の巣が落ちないための仕掛けを作るなど、普段から工夫を行っているという。
ティツィアナさんは「私たちが動物から学ぶべきことは、まだまだたくさんあるのでしょう」と述べている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)