被災地の“迷惑物資”になりかねないもの、問題点にショック 「送らないで」注意喚起も…
「被災地に本を送らないで」──。日本図書館協会の呼びかけが話題に。時として、本は被災地の「迷惑物資」になる恐れがあって…。
■被災地の「迷惑物資」になりかねない
日本図書館協会の担当者は、今回の呼びかけに至った背景に関して、「被災地から『本を送って欲しい』という声がある時に送るのは問題ないと思います。そうでない時に本を送ると、避難所の場所を塞いだり、受け取る手間や運ぶ手間が発生します。今回のお願いは、避難所等への問い合わせを控え、被災地に関心を持っていただきたいという思いもあります」と説明する。
必ずしも被災地に本を送ることが悪いわけではなく、現地で必要とされていない時に送ると、被災地の人にとって「迷惑物資」になってしまう可能性があるということだ。
特に、今回の呼びかけが行われた1月11日は、食料や毛布、携帯・簡易トイレ、トイレットペーパーなどが必要とされた時期。大量に本を送ることが求められていたとは言い難い。
■10年以上処理できないケースも…
1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災の時も、被災地で求められていないにも関わらず、本が送られるケースがあったという。特に、東日本大震災では、送られた後の処理に困ったようだ。
担当者は、「大量に送られた本は10年以上処理できず、空き教室に置いたままになっていました。個人だけでなく、企業や団体から送られることもあったようです。そうした方達に悪意はなく、良かれと思ってやったことだと思うのですが…」と表情を曇らせる。「善意」によって届けられたはずのものが、被災地の人々を悩ませていたようだ。
能登半島地震から1ヶ月経った。被災地復興のため、何らかの支援をしたいと考えている人は、現在被災地で何が必要とされているか確認してほしい。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)