7メートルの生垣を放置する隣人に日照権訴訟を起こした男性 3年間の争いに勝利
7メートルの高さの生垣のせいで日照権を奪われた住民が訴訟を起こした。裁判により訴訟内容が認められ、生垣は伐採されることになった。
億万長者である隣人宅の生垣が隣家の煙突を超え、日照権を侵害しているとして近隣住民から訴えられた。3年の裁判の末、近隣住民が勝利を勝ち取ったことを、『DailyMail』がレポートしている。
■7メートルの生垣めぐり訴訟に
イギリスの郊外に住む医師のアンドリュー・クロスさん(64)は、隣人で不動産管理者として億万長者のマーク・ダイアー(59)さん夫妻が所有する家の生垣をめぐり、訴訟を起こした。
ダイヤー夫妻はこの地へ25年前に移住してきており、クロスさんの敷地に隣接する広大な土地を購入。敷地の境にはレイランディというヒノキの一種が植えられており、その高さは26フィート(約7メートル)にも達した。
クロスさんは、「生垣は我が家の煙突の高さである15フィート(約4.5メートル)をゆうに超えているため、田園風景が全く見えなくなった」と訴えていた。
この生垣の伐採を求めて起こした訴訟は、3年の裁判を経て、クロスさんの言い分に軍配が上がったという。
■ヘリポートも建築
ダイヤー夫妻は現在、敷地内にテニスコートとプールを所有しているが、敷地内の建設をめぐり、かねてから近隣住民との問題が絶えなかったとみられている。
2007年、夫妻がヘリコプターが離着陸するヘリパッドを設けると、建築後に地方議会の計画担当官から通知があり、取り壊しを命じられたという。
同敷地には宿泊施設として運営しているコテージもあり、関連した工事の計画書50件が議会に提出されていた。これらの開発工事に反対だった近隣住民は、議会へ却下を申し入れていたとみられる。
夫妻は近隣住民から脅迫的な嫌がらせを受けたとして、生垣伐採の異議を申し立てていたが、却下された。
■「生垣問題」に終止符
クロスさんは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの頃、迷惑行為に対処する法律について調査を始めたという。そして2021年に初めて地元自治区の議会に苦情を申し立て、裁判を起こしていた。
当初の判決で、ダイヤー夫妻は生垣を14フィート(約4.3メートル)まで伐採することに同意したそうだが、最終的に16フィート(4.9メートル)に微調整されたという。
裁判官は「現在の生け垣の高さは、申立人の所有地の庭や居住可能な部屋に、許容できないほどの光の損失を引き起こす可能性が非常に高い」「申立人の財産の合理的な享受に悪影響を与える」と判決を下している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)