6歳で全身火傷を負った男性が消防士に いじめやトラウマを乗り越える
幼くして全身に重度の火傷を負ってしまった男性が、消防士になることでトラウマや恐怖を断ち切ることに成功した。
恐ろしい経験がトラウマになりPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症すると、それを乗り越えるまでに長い時間と忍耐を要することになるが…。今、ある男性のサクセスストーリーに注目が集まっていることを、『NEWS18』や『MSN』などの海外メディアが報じた。
■6歳の時に重度の全身火傷
現在、消防士として市民の命を守っているテリー・マッカーシーさん(26)は、人々が想像を絶するようなトラウマを抱えて生きてきた。
6歳の頃、火のついた灯油が全身にふりかかり、最も重い3度の火傷を負った。3度とは、皮膚ばかりか脂肪や筋肉にまで火傷が及び、神経や血管も損傷していることを意味している。
テリーさんは体の70%に火傷を負ったうえ、顔と腕には深い傷跡が残った。さらに学校では容赦ないからかいや嘲笑の標的となり、すっかり悲観的になってしまったという。
■トラウマを乗り越えるべく消防士に
テリーさんは大人になるにつれ、炎といじめの恐怖がトラウマとなって自分につきまとい、それに縛られていることに気が付いた。そこで過去の自分を断ち切り苦悩を乗り越えるべく、消防士になることを決意。あえて最大の恐怖に立ち向かう道を選んだ。
12週間におよぶ激しい訓練を受け、身体的にも精神的にも限界まで追い込んだテリーさん。何度もトラウマに負けそうになったが、諦めることはなかった。
そして見事に試験に合格し、一人前の消防士に。「これは個人的な克服でもあります。炎と闘っているうちに、未知だった自分の強さを知ることができました」と話している。
■人生初の消火活動
テリーさんは、初めて火事現場に出動する際、防護服を着ながら強い緊張で心拍数が上がりっぱなしだったそうだ。
だが、いざ炎で燃え盛る建物に入ると、使命感と責任感から無我夢中で消火活動を行った。鎮火が確認されると、かつて味わったことのない勝利と誇りを感じたという。
テリーさんのサクセスストーリーは、さまざまなトラウマを抱える多くの人たちを勇気づけている。同時に「十分気を付けてください」という励ましの声も、多数寄せられるという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)