動物園がDNA鑑定でオランウータンの父親を特定 名物司会者が名台詞とともに発表
動物園が、謎とされていたオランウータンの父親を公表。親子鑑定の企画で知られる大物司会者が、父親の名を読み上げた。
アメリカの動物園で、誕生後に「父親は不明」とされていたオランウータンの父子関係を発表。多くの人々が関心を持っていた謎を、名物テレビ司会者がネット上で発表する演出が、大きな反響を呼んでいる。『AP通信』や『UPI』が報じた。
■DNA鑑定結果を公表
12月20日、デンバー動物園がFacebookの公式アカウント上で、2023年8月27日に誕生したメスのスマトラオランウータンであるシスカの父親を公表した。
これまで30歳のベラニと16歳のジャヤのどちらかが父親候補とされていたが、鑑定を行うまで真相は長らく不明だった。
そもそも、DNA鑑定を行うまでにも時間がかかった。生まれたばかりのオランウータンの毛髪サンプルを採取するために近づくことは、飼育員であっても制限されており、数ヶ月待たなければならなかったからだ。
■名物司会者が名台詞で
同園は父親の公表に、アメリカのトーク番組の顔として知られるモーリー・ポビッチ(84)を起用した。
ポビッチは昼のトーク番組『モーリー』の司会を31年間務める名物司会者で、先日にはテレビ業界で最も栄誉ある「エミー賞」で生涯功労賞を受賞したばかりの超大物だ。
親子鑑定の結果を発表するコーナーで知られ、彼の「あなたは父親です」あるいは「あなたは父親ではありません」というキャッチフレーズは、全国区で話題になっている。
この日もポビッチは長寿番組同様の姿で登場し、シスカのDNA鑑定結果を封筒から取り出して「オランウータン、生後4ヶ月のシスカについて…ベラニ、あなたが父親です!」といつもの名台詞で発表した。
■絶滅寸前の種に指定
ポビッチの全国区の知名度も手伝い、この発表は大きな反響を呼んだ。
同園はFacebookで「この特別なニュースを分かち合うことに快く協力してくれたモーリーに、大きな拍手を送りたい。発表を歴史に残るものにしてくれてありがとう」と、改めてポビッチに感謝のコメントを寄せた。
シスカは、2016年にドイツのドルトムント動物園からやって来た15歳のスマトラオランウータンであるエイリナにとって、初めての赤ちゃんだ。
スマトラオランウータンは3種あるオランウータンうちの1種で、国際自然保護連合(IUCN)が発表している「レッドリスト」に入れられ、最も絶滅に近いとされる「近絶滅(絶滅寸前)」に指定されている。